闘病記しか読みたくない

闘病記しか読みたくない管理人「つばめ」のブログです。日本中の闘病記が読みたい。悪趣味だと言われようが闘病記や病気をテーマにした本から感じ取れる生への記録に感動している毎日。本の紹介はネタバレを含みます。道端のポスターの写真等を撮るのも好きです。すべての写真は自分で撮影しているものです。

つれてこられただけなのに 外来生物の言い分をきく

外来生物について楽しく学べるイラストが多い本です。

外来生物ってなんだろう?」という質問から答えてくれているので親切です。

 

ほ乳類、は虫類、両生類、鳥、貝、ザリガニ、魚、昆虫、クモ、植物…と多くの外来種が日本で暮らしている事がわかります。

シロツメクサ外来生物と言うのがかなり驚きです。私が小さい頃(1970年代)にはすでにシロツメクサの畑は日本でおなじみの光景で、たのしく花を摘んで遊んだ思い出があります。同じくアメリカザリガニはもはや日本のザリガニと言ってもいいような雰囲気。

 

ほとんどが日本に勝手につれてこられたりして日本に定着してしまっているので外来生物というだけで嫌うのは申し訳ない気もします。

一気に駆除するのも難しいと思われるので、今後は人間が外来生物を逃がさない様にするしかないですね。

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つれてこられただけなのに 外来生物の言い分をきく

監修 小宮輝之

絵 今井佳三 むらもとちひろ ウエタケヨーコ サトウマサノリ

発行者 今村正樹

発行所 偕成社

2020年7月初版1刷発行

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永遠に生きるために

11歳の小児性リンパ芽球性白血病の少年サムが主人公。サムの瞳はブルーで髪は薄茶、片方の膝に生まれつき四つ葉形のあざがあります。この「四つ葉」は願いをかなえてくれないとサムは不満を持っています。体には打ち身のあとがいっぱいあります。

 

白血病の再発、また再発でサムは具合が悪くなり鼻血を出したり輸血をしたりと生きる努力はするものの、医師から治る見込みはないと宣告されます。

一年あればいろいろな事ができるとサムは自分の余命を受け止めますが父母は受け止められずうろたえています。

サムの母は少し前までは学習障害のある子を世話をする慈善団体で働いていたものの、サムの病気が再発した時に仕事をやめています。

 

悪友のフェリックスが物語を引っ張ってくれています。フェリックスはがんでどの部位のがんかは書かれておらず病名不明ですがサムと同じく長く生きることはできないと自分でわかっている様子。

フェリックスとサムの男の子らしい遊び方は微笑ましいものがありました。

 

不幸にもフェリックスは亡くなり、サムは死について考え、自分の死後にどうしてほしいかまとめる様になります。

 

サムの書いた本は1月7日に始まって4月12日に終わります。たった三か月の日常をまとめた本ですが家庭教師と勉強したり、フェリックスとイタズラしたり、家族と遊んだりと平凡ながら充実した最期を迎えることができました。

 

記録が4月12日で終わり、4月14日に永眠するタイムラグが生々しいと思いました。

欲を言えば本文の書き文字がカワイイ女の子が書くような文字だったのでもっと11歳の男の子らしい雑な文字だと良かったかも。

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永遠に生きるために

作 サリー・ニコルズ

訳 野の水生

装画 高畠那生

発行所 株式会社偕成社

2009年2月初版第1刷

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テーマパークのサバイバル

テーマパークの事故などがテーマです。

おなじみのジオ、ピピ、ケイがトラブルに巻き込まれます。

 

ずさんな管理をしているゾンビパークでトラブルが続出するのですが、つい最近ひらかたパークでの乗り物のトラブルが起こったばかりなので生々しく読めます。

 

壁が急に倒れてきて女の子が怪我をしたりピピの乗っているアトラクションが止まってしまったりとゾンビパークの運営陣はクズとしか言いようがない。

 

バンドバニーの中の人のトラウマはいつになったら克服できるのでしょうか…いまの運営のままではトラウマ克服は難しそう。

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テーマパークのサバイバル

著者 文 ポドアルチング

絵 韓賢東

発行者 片桐圭子

発行所 株式会社朝日新聞社

2022年12月30日第1刷発行

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女の子って。3

小学生の女の子の悩みを漫画で読むことができます。

 

片づけ、夏バテ、いびき、ダイエット、生理、人間関係…など女の子あるあるの悩みが丁寧に書かれています。

席替えやおしゃれ、夏休みの思い出や寝ぐせ等々可愛らしい悩みもあってほのぼの読めます。

カナヘイさんのカワイイ絵で描かれているので悲壮感も無く全体的に明るい雰囲気。

 

小学生向けですが大人が読んでも為になる内容もあります。きれいな字を書きたい、荷物が多い、おしゃれになりたい…等。

 

人それぞれ違った悩みがあるんだなと楽しく読めました。

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女の子って。3

著者 カナヘイ

発行人 鈴木晴彦

発行所 株式会社集英社

2015年2月18日第1刷発行

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直立歩行 斎藤紘二詩集

斎藤紘二さんによる「筋肉疾患・筋ジストロフィー」をテーマにした詩集です。

最初の職場となった「国立療養所」で筋ジストロフィー症の患者たちと出会い、その患者のうちの一人が山田富也さんだったということで詩集が発行されたそうです。

 

本人は筋ジストロフィーではないとはいえ、患者の気持ちを代弁するかのような詩が多く読み応えがあります。

 

「質問」という詩が特に印象的でした

なぜ足が立たないのだ

なぜ手が上がらないのだ

なぜ体が痩せてゆくのだ…

と本人がまるで筋ジストロフィーであるかのようななまなましさがあります。

 

なにも知らずにこの詩集を読んだ人は斎藤さんが筋ジストロフィーと勘違いしてしまいそうなリアルな描写が多かったです。

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直立歩行 斎藤紘二詩集

著者 斎藤紘二

発行者 小田久郎

発行所 株式会社思潮社

発行日 2006年5月31日

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ぼくのじしんえにっき

この本には「ぼくのじしんえにっき」と「つなみ」というお話がまとめられています。

 

「ぼくのじしんえにっき」は小学生の「和之」(かずゆき)が塾でテストをしている最中に大地震にあったことを淡々と絵日記にまとめているお話。

 

「東京は壊滅状態です」というラジオが流れるほどの被害です。

 

地震があった日は7月25日。震度7なので相当大きな地震だったことがわかります。

塾の階段では和子ちゃんとみーちゃんが誰かの下敷きになり動かなくなります。

ママが迎えに来てなんとか和之は自宅に戻るも自宅は傾いていて水道も止まってしまいました。

パパは電車が止まったため帰宅できず。7月28日になって怪我をした血だらけのパパもようやく帰宅。

 

8月1日頃になると町がくさくなり、ハエも沸いてきます。

飼い猫の大五郎も狂犬病の犬に咬まれてしまい狂犬病の危機です。犬は実際に狂犬病と診断されているわけではないのですがよだれをぼたぼたたらし、明らかに異常な状態から大人たちが「狂犬病かもしれない」と語っていた事と、実際に大五郎が死んでしまった事から狂犬病でカテゴリーにまとめています。

 

8月4日になると伝染病が発生します。和之は友達のとしこちゃんに会いに行こうと伝染病が流行っている所に足を踏み入れ8月7日に発熱。おそらく伝染病にかかり、8月25日にようやく回復します。

その後、和之はおばあちゃんと猫の大五郎が帰ってこない人になった事を知ります。

 

 

もう一つのお話は「つなみ」です。

 主人公は「ふづき」です。小学5年生の女の子。港町に住んでおり、この町はふづきが生まれる前に津波に襲われた事があります。

地震の後、お父さんとお母さんと姉とふづきで車に乗り込みなんとか逃げていきますが、通帳を忘れたお父さんが家まで取りに戻ってしまいます。これは死亡フラグ

 

電信柱を来れるほどの大津波が逃げていた三人を遅い、ふづきは波に呑まれます。ふづきはなんとか屋根にのって漂流している所を助けられましたが、母、姉、父は最後まで出てこず、きっと津波にのまれて亡くなったのでは…とう描写で物語は終わります。

 

初所は「ぼくのじしんえにっき」は1989年(岩崎書店刊)で「つなみ」は1994年。東日本大震災がおこるずっと前に書かれている作品なので恐ろしい…

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ぼくのじしんえにっき

著者 八起正道

画 いとうひろし

発行 株式会社岩崎書店

フォア文庫

1994年7月 第1刷発行

1995年6月 第3刷発行

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地雷をふんだゾウ

地雷によって被害をうけたゾウが主役です。

もともと人間を殺すための道具として作られた地雷ですが、地面を歩く動物も被害を受けているという現実がわかります。

 

体が大きいだけあって即死はしないものの、足等に障害を持つ事は体重の重いゾウにとっては辛い生き方になります。

地雷を踏んだほとんどのゾウは重い体をささえることもできず死んでいきます。

今まで地雷を踏んで命を落としたアジアゾウは一万頭以上と言われているとか…

 

作者は地雷を踏んで生き残ったゾウの保護施設を訪ねます。

たった20頭ほどだけが生き残るという地雷の恐ろしさ…

人間によって作られた地雷で傷つき、人間によって助けられるという何とも厳しい本でした。

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地雷をふんだゾウ

著者 藤原幸一

発行者 岩崎弘明

発行所 株式会社岩崎書店

2014年11月30日第1刷発行

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闘病・介護・看取り・再生詩歌集 パンデミック時代の記憶を伝える

多数の人の闘病・介護・看取りなどの詩歌を集めている本です。新型コロナウイルスの内容が少し多めです。

 

宮沢賢治の「永訣の朝」をトップにもってくるあたり割とガチ目です。永訣の朝は実はあまり好きではない。死を美化しすぎている気がして…

なぜか永訣の朝かなり人気ありますよね…(東北の方言はとてもかわいいと思いますが)

 

扱っている内容としては摂食障害新型コロナウイルス、がん、脳梗塞、難病、突発性血小板減少性紫斑病、狂牛病筋ジストロフィー膠原病、全身性エリテマトーデス、緩和ケア、褥瘡、ムーンフェイス、死、交通事故…など。

 

内容のテンションがコロコロ変わるので少し読むのが疲れますが病気に対するそれぞれの思いがよくわかるのでじっくり読むのも良いかもしれません。

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闘病・介護・看取り・再生詩歌集 パンデミック時代の記憶を伝える

編者 鈴木比佐雄 座間寛彦 羽鳥貝 鈴木光影

発行者 鈴木比佐雄

発行所 株式会社コールサック社

2022年10月16日初版発行

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新ちゃんがないた!

主人公は小学生の山本剛。剛はさわやかな性格で友達思いなので誰からも好かれるタイプです。

剛の友人の土田新一(新ちゃん)は四肢性マヒで足が不自由です。浜なす学園という家から遠い学校で生活していたのですが新一が実家にもどって地元の小学校に通うことになってからの物語がメインです。

 

新一はもともと甘えた性格をしていたのですが浜なす学園で17歳の佐藤勝吾兄さん(年上なので兄さんと呼んでいるが血縁関係無し)の言葉などによってぐっと成長して立派な心を持つ子どもに変わっていました。

勝吾兄さんはデュシャンヌ型筋ジストロフィーで「死ぬ前の日までは、成長していきたい」と言う素晴らしい考えをもっており、新一だけでなく寮母さん、医者、看護師、売店のおばさんまで相談に行くくらいの聖人です。

 

新一は父を胃がんで亡くしたり、高学年からいじめられたりと苦労するのですが勝吾兄さんのおかげか一つづつ悩みをクリアにしてどんどん成長します。

最後には新一の書いた作文が文部大臣賞を取り、校内が大騒ぎになります。

 

剛と新一の熱い友情が瑞々しいので今後も二人の交流が続けば良いなと思いました。

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新ちゃんがないた!

著者 佐藤州男

画家 長谷川集平

発行所 文研出版

1986年6月20日第1刷

2007年5月15日第25刷

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