広島の原爆体験を生き抜いた母から生まれた息子、史樹(ふみき)くんが白血病になってしまった事が語られています。
母の被爆体験からの白血病と思われるため戦争さえなければ…と思ってしまいました。
メインの文章が父母父母とほぼ交互に日記調で書かれていて読みにくいです。
父目線、母目線と視点や文体がコロコロかわるのが読みにくさの原因?
父の日記と母の日記を前半後半で分けてくれるともっと読みやすいかもしれません。
まとまったページで語られる祖母の文章が一番読みやすかった。
タイトルは「ぼく生きたかった」と史樹くんの思いになっていますが本の中身で史樹くんの言葉はほとんどありません。
白血病の治療の事はほとんどかかれておらず親の感情が大部分をしめます。
白血病は今では治療方法がたくさんありますが昭和43年ごろだとあまり治療法がない様子。
再発の時の「きょうまでは本当に希望があったのですがねえ…」という医師のセリフが絶望的です…。
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ぼく生きたかった
作 名越謙蔵+操
絵 矢野洋子
発行所 労働教育センター
1982年8月20日第1刷発行
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