臓器移植をするためにフロリダへ渡った村木理恵さんの物語。
移植手術をする病院はフロリダ大学病院にあり、海外での移植となります。
保険がきかない為、六千万以上のお金がかかります。
途方もない金額ですがまわりの皆さんの協力で募金が集まります。
協力者の中に白血病の治療のため骨髄移植をした古田淑樹君がいました。
理恵さんと面識はないものの、自分で何かをしたいと募金活動を自ら進んではじめます。
素晴らしいですね。
無事に海外での臓器移植を終えた理恵さんは飛行機で自分の事が語られるアナウンスを聞きます。
「本日、この機内にはある方が乗っておられます…フロリダで肝臓の移植を受けて、無事に日本に帰ってきた木村理恵さんです」
個人情報を勝手に飛行機でアナウンスするのは良くないような気もしますが当時はあまり個人情報にはうるさくなかったので仕方ないですね。
もし私が海外で移植をうけて飛行機でアナウンスされたら怒ってしまいそう。
病名どころかフルネームまで他人に知られてしまう。
そっとしておいて欲しいかも。
帰国後に理恵さん達は淑樹くんが亡くなったことを聞きます。
あれほど人の為に頑張っていた淑樹君が亡くなるとは思ってもいなかったので驚きました。
淑樹君が書いた「命」という作文が素晴らしいです。
表紙の絵はとてもキレイなのですがなぜか理恵さんの瞳が緑色で茶髪。
本の中の写真を見る限り和風の顔だちなので目も髪も黒だと思うのですが…
一重まぶたでも十分かわいいのにわざわざぱっちり二重に描かれていてなんとも言えない気持ちに…
ジャンボ鶴田さん、淑樹君は写真と似ているのに理恵さんだけ全然似ていない。
本人にもう少し似せて描いてあげても良かったのでは?
「おわりに」で語られていますが、本文中の場面は事実に基づいて描きましたが、物語の構成上、作者が創作したシーンやセリフが入っているそうです。
おそらく最後のジャンボ鶴田さんが出てくるシーンだと思うのですが無理に創作シーンを入れる必要は無いんじゃないかな?と思いました。
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いのちのバトンリレー 肝臓移植を乗り越えた少女と白血病の少年の物語
著者 関朝之
画家 日高康志
発行者 日高裕明
発行所 ハート出版
平成19年6月11日第1刷発行
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