産まれてすぐに小舟で海に流され(捨てられ)た少女のクロウが自分のルーツを探す物語です。
クロウの顔には羽の形をしたあざがあり、これが両親探しのヒントになります。
(表紙にクロウの顔が書かれているのですが羽型のあざはわかりにくいのでもっとクッキリ描いてあっても良かったかも)
カテゴリーはハンセン病ですが、この本ではハンセン病患者は出てきません。
クロウの両親がハンセン病患者かもしれない…という疑いが近所の人にあるのでクロウはかなりツライ生活をしています。
ふれてもらえなかったり図書館や郵便局で差別をされたり…1952年が舞台のお話なのでハンセン病患者に辛い時代だったことがわかります。
見どころは登場人物がやたら着替える事でしょうか。
事あるごとにしょっちゅうお着替えするので作者にそういうフェチっぽい所があるのかもしれません。
ここで着替え必要?という場面でも着替えています。
クロウの育ての親のオッシュと世話焼きのミス・マギーも良いキャラしていました。
マウスという名前の猫も可愛かった。
あれだけ引っ張っておいた生き別れのお兄さんが見つからずに終わってしまった事、オッシュの本当の名前がわからなかった事、オッシュとミス・マギーの恋愛事情、など気になる事がそのままに終わってしまったのが残念です。
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この海を越えれば、わたしは
作者 ローレン・ウォーク
訳者 中井はるの 中井川玲子
発行者 浦城寿一
発行所 さ・え・ら書房
2019年10月第1刷発行
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