秋山加代さんのエッセイ集です。
「風の剛さん」というエッセイの中に筋ジストロフィーの剛さんとの思い出が語られています。
縁の始まりは向田邦子さんの死。
秋山さんが雑誌ミセスに向田さんの追悼文を書き、その追悼文を読んでミセスへ手紙を書いたのが渡辺範子さん。
範子さんが剛さんの家族なのでそのうち家族ぐるみでお付き合いをするようになったとか。
凄い縁ですね。
剛さんは昭和41年生まれ。三歳の時に発病し、小学校終わりごろには車椅子生活になります。
剛さんは父・母・姉にとても愛されていて読んでいてほのぼのしました。
秋山さんは剛さん達との交流をしながらご自身のお嬢様の事を思い出します。
心臓の異常があった娘を思う親の気持ちがとても伝わってきます。
その後も剛さんの病は進行し剛さんは亡くなります。
通夜の前の洗礼式で名前がついたときの「ペテロ渡辺剛」がとてもしっくりきます。
「ロバータさあ歩きましょう」の作者の佐々木たづさんの話題が出てきたので驚きました。
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母と風の息子
著者 秋山加代
発行者 堤堯
発行所 株式会社文藝春秋
1993年10月20日第1刷発行
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