11歳から12歳の四人の登場人物が主人公。
視点が四人分あるのでコロコロ変わり面白い構成になっています。
メイン主人公はヴァージル。フィリピン系アメリカ人で11歳。静かでおとなしい性格。好きな女の子の前では一言も話せません。
二人目の主人公はヴァレンシア。11歳で耳が不自由です。昔は多少は聞こえていたので話す事ができます。自然がとても好きな女の子です。
三人目の主人公はカオリ。日系三世で12歳。自分が霊能者だと信じていてグイグイ押すタイプの性格。雰囲気的には中国人っぽい書かれ方をしていたかもしれません。
四人目の主人公はチェット。ヴァージルからは心の中でブルと呼ばれています。ヴァージルとヴァレンシアと同級生。いわゆるいじめっ子です。ヴァージルをいじめたり、聴覚障害のヴァレンシアを「難聴」と言ってからかったり褒める所が見当たらないタイプ。
ある日チェットがヴァージルのリュックを井戸に投げ込んでしまい、それを拾いに行ったヴァージルが井戸から出られなくなってしまった…という事がメインで話が進んでいきます。
現代っ子なら携帯電話くらい持ってるでしょう、と思われるかもしれませんがうまく携帯は壊れて使用不可になってしまいます。
ヴァージルが井戸から出られなくなって絶体絶命の中、カオリやヴァレンシアやユミ(カオリの妹)の助けもあってヴァージルは井戸から脱出します。
その後のヴァージルは人が変わったように心が強くなっていました。
怖い経験をしたことで成長できたのでしょうね…
医者の息子で金持ちのボンボンっぽさがあったヴァージルですが井戸での経験を生かして強く生きて行けそうです。
最後は好きな女の子に携帯でメッセージも送れるようになってハッピーエンド。
ヴァレンシアとカオリも良い友達になって安心しました。
----------
----------
ハロー、ここにいるよ
著者 エリン・エントラーダ・ケリー
訳者 武富博子
発行者 竹下晴信
発行所 株式会社評論社
2020年1月20日初版発行
----------
----------