闘病記しか読みたくない

闘病記しか読みたくない管理人「つばめ」のブログです。日本中の闘病記が読みたい。悪趣味だと言われようが闘病記や病気をテーマにした本から感じ取れる生への記録に感動している毎日。本の紹介はネタバレを含みます。道端のポスターの写真等を撮るのも好きです。すべての写真は自分で撮影しているものです。

俺の残機を投下します

youtubeのPVがとてもキレイなので読んでみました。

 

落ちぶれたプロゲーマー一輝のどん底から復活までの物語。

と書くと「一輝がんばれ」系の主人公応援物語になるのかな?という感じですがとにかく一輝がダメ人間なので全く応援する気になれず。

一輝が発達障害っぽい描写が多いので病院で診断した方が良いのでは…?と思いました。

 

学生時代に知り合った妻の「結衣」と息子の「晴輝」がいるのにもかかわらず子供が生まれてから八年近くも息子にかかわらない様にして別居、妻の存在や息子の存在も「邪魔」と感じている幼稚な一輝。

そんなクズな性格の一輝を陰から支えようとする妻の結衣も「イネブラー」体質で見ていてイライラしました。

結衣ががっつり一輝をコントロールしていたら一輝の責任感の無さもそれほどひどくならなかったはず。

八年近くも息子も無視状態で養育費も払ってもらっていないのに一輝をひたすらに信じメンタル的にも金銭的にも支えようとします。ザックリ見捨てた方が一輝の為になるのにな。

正直一輝にそれほど魅力があるとは思えない。PVだと美男子ですが。

 

自分の身代わりに死ぬ「残機」システムが良くわかりませんでした。

自分が死ぬかわりに残機が減っていき、残機がいなくなれば自分が死ぬというシステムなのですが…このシステムはおかしい。

この残機システムは全員そなわっているようですが、この考え方だと生まれてすぐに死ぬ子どもがいない世界になるか、子どもの死亡率が異様に低い世界になります。そして大人になればなるほど死亡率が上がる不自然な世界になります。

そして電車事故や自動車事故で普通は死ぬような事故にあったのにも関わらず死なない人がやたら増える事になりますます不自然な世界になります。

死刑囚が死なない問題も出てくるだろうし、中には残機をうまく使ってお金を稼いだりアリバイを作る犯罪に利用したりと色々できそうです。

本体を死なせないために臓器提供とか血液提供等も出来そうですね。

 

 

残機達のシンヤとリュウスケの方がよほど応援したくなるタイプでした。

シンヤは認知症の源次郎を気に掛ける優しい性格。

リュウスケはアートを愛する行動派。

ダイゴは一輝を献身的に支えるイネブラータイプなので「そこで一輝を助けるから一輝がダメになるんじゃないの??」とイライラしたので応援できず。

 

テーマがeスポーツなのでゲームの描写が多めなのですが格ゲー好きな人だとわかりやすいかも。

試合の流れなどはさすがに白熱します。

 

一輝が小さい頃にぜんそく持ちだった描写もあります。

 大人になってからは年に1、2回の発作があるため吸入ステロイド剤常備。

この設定は一回しか出てきませんでした。

 

最後の二行が不要と話題になっている様ですが、息子の晴輝が残機に乗っ取られそうになったトラウマのある一輝は日本に戻ってきた後、結衣の残機を探しだし結衣の残機を遠ざけようとする物語が続いていくような気がしてゾッとしました。

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俺の残機を投下します

著者 山田悠介

発行者 小野寺優

発行所 株式会社河出書房新社

2020年7月30日初版発行

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