東京大空襲にあった半藤一利さんが昔の体験を語ってくれてる絵本です。
体験者なので文章がリアルです。
一利さんのお父さんが「バカな戦争なんかはじめやがって。いったいなにを考えてるんだ、この国は。」と語っていて、この時代でも戦争反対と口に出せる大人がいるという事に安心しました。
東京大空襲の時の逃げ惑う描写が生々しい。
絵を描かれている塚本さんの絵の迫力が凄い。
B29が低空飛行で飛び焼い弾を落とし、火の海のなか父親とはぐれながらも走る絵が恐ろしいです。
家にボロボロの状態で戻ると父親がいて「おう、生きてたのか」とあっさり言う所が現実的。抱き合って喜ぶとか意外と日本人はやりませんからね。
最後は「戦争だけは絶対にはじめてはいけない」と一利さんは言い切ります。
戦争の残酷さが良くわかる絵本でした。
巻末の著者紹介が驚くほど丁寧に書かれているので、ここだけを読んでも文章を書いた半藤一利さんと絵を描いた塚本やすしさんの事が良くわかります。
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焼けあとのちかい
文 半藤一利
絵 塚本やすし
発行者 中川進
発行所 株式会社大月書店
2019年7月12日第1刷発行
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