石川正一さんと父の左門さんが書いた本です。
正一さんは筋ジストロフィーと闘い、昭和54年6月18日に23歳と7ヵ月の生涯を閉じます。
亡くなった思い出とともに父母、弟が正一さんを語る形での紹介が多いです。
特徴的な部分としては宗教色が強めな所です。
私は無宗教なので宗教に対して引いてしまう部分が多々ありました。
もちろん宗教の自由があるため、あくまで私が宗教に対して引いていただけです。
全体的にキリスト教の教えが強いため読んでいて苦しい気持ちになります…
え、ここでキリスト教の事がでてくるの?という場面場面が多いので本当に苦しい。
家族愛などもあり良書だと思うのですがいかんせん宗教色が強い。
正一さんはもおっとりしていて頭がよく、話していると楽しい方だという事がわかります。
すこしいい人すぎるのでは…と感じる部分も多いですが、人柄なのでしょう。
亡くなった後に正一さんは遺志により病理解剖されます。
その解剖を、弟の雄二さんが見届けています。雄二さんは看護士(看護師)を志す看護学科二年在学中で、医師も解剖の立ち会いを許可しています。
実の兄の解剖に立ち会う弟の雄二さんの勇気が素晴らしいです。
宗教色が強めなので合う合わないがあると思われますが、筋ジストロフィーという難病ながらも信仰に支えられ、家族に愛された正一さんの生き様が素晴らしいと感じました。
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めぐり逢うべき誰かのために 明日なき生命の詩
著者 石川正一 石川左門
発行者 下野博
発行所 株式会社立風書房
1982年12月15日第1刷発行
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