スノーマンの作者、レイモンド・ブリッグズさんの両親のエセルさんとアーネストさんが主人公です。
お金持ちの奥様の専用メイドだったエセルと牛乳配達人のアーネストの平凡ながらも幸せな日常が書かれています。
エセルはこの時代の女性としてはめずらしくかなりの高齢出産です。
結婚して二年以上妊娠せず、38歳で出産しています。
1960~1970年の物語で大人になったレイモンド・ブリッグズさんが登場します。
レイモンドさんの恋人ジーンさんは統合失調所で精神科病棟で入退院を繰り返しているという描写が出てきます。
レイモンドさんがなぜ統合失調症のジーンさんを選んだのかははっきりとは書かれていませんでしたが統合失調症という病気はとても厄介なので愛があったのでしょうね。
エセルが(ジーンが統合失調症で子供が期待できない為)「一生おばあちゃんにはなれないのね」と嘆いていますがジーンを認めていると思われる描写なのでこの場面はとても良いと思いました。
1960~1970年頃の統合失調症のイメージは日本では精神分裂症といわれるほど悪かったと思われるのに…
淡々と書かれているので盛り上がりには欠けるのですが一般的な男女の人生を見ることができるので読み応えがありました。
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エセルとアーネスト ふたりの物語
著者 レイモンド・ブリッグズ
翻訳者 北川静江
発行人 湯浅美代子
発行所 バベルプレス(株式会社バベル)
発行日 2019年8月29日
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