闘病記しか読みたくない

闘病記しか読みたくない管理人「つばめ」のブログです。日本中の闘病記が読みたい。悪趣味だと言われようが闘病記や病気をテーマにした本から感じ取れる生への記録に感動している毎日。本の紹介はネタバレを含みます。道端のポスターの写真等を撮るのも好きです。すべての写真は自分で撮影しているものです。

ヨーロッパ車いすひとり旅

石坂直行さんが書いたヨーロッパへの旅日記です。

実際には全くの一人旅では無く同行者がどこかに必ずいる状態での旅となっています。

石坂さんは筋ジストロフィーの一種の四肢まひと診断されています。

柔道で怪我をしたあと、手足が不自由になり筋ジストロフィーの一種と診断され、その後ダンプカーに追突されたあと両脚がまひしています。

怪我が原因なので実際には筋ジストロフィーとは少し違うのかも?とは思いましたが筋ジストロフィーと書かれているためカテゴリーは筋ジストロフィーにまとめました。

 

表紙は石坂さんのイラストでものすごくハンサムです。

中の写真もスーツをびしっと着こなし、背筋をしゃんと伸ばしている写真が多くとてもオシャレで男前な人だという事がわかります。

 

昭和48年に発行された本とは思えないほどの情報量で日本と海外の違いがよくわかる本でした。

昭和48年頃といえば日本では福祉の福の字も出ていない障害者にとっては辛い時代だったと思うのですが石坂さんはあえて家族を連れずに一人でヨーロッパを巡っています。

この時代に車いすで旅をするなんてとんでもない事だったと思うので石坂さんの勇気に惚れ惚れしました。

車いすでの移動とお手洗いの苦労が書かれている部分が多いのですが、人との出会いは心温まる内容ばかりです。

決して卑屈になることは無く、堂々としていてユーモアもあり素晴らしい旅となっています。

英語が話せるという利点をいかしてどんどん外国人とコミュニケーションをとっている所も見事です。

男性目線なのでどうしても美人に目が行く所等が若々しく感じました。

 

昭和48年頃の本なのにこの時点で今の日本はまだ海外に負けています…

昔に比べたら福祉は素晴らしくなったものの、この時代のヨーロッパ諸国にいまだに負けている日本の福祉…

(決して日本の今の福祉が悪いというわけでは無いのですがどうしても海外とくらべると負けてしまう部分があるのは仕方ないとは思うのですが…)

住宅事情は日本は狭い国なのでどうしようもないとしてももう少し頑張って欲しいですね。

 

訪れる国はデンマークスウェーデンフィンランド・オランダ・イギリス・フランス・ドイツ・スイス・イタリア・ギリシャです。

これは凄い…健常者でもヘロヘロになりそうなスケジュールなのに車いすで旅をするなんて…尊敬の一言。

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ヨーロッパ車いすひとり旅

著者 石坂直行

発行者 浅沼博

発行所 日本放送出版協会

昭和48年5月25日第1刷

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