作者の藤川幸之助さんが小さい頃(おそらく小学校三年生くらい)を思い出しながら書かれたという絵本です。
小学生の時、女の子のかすみちゃんと一緒に歩いている認知症のおばあさんを見かけ、おばあさんを「怪獣」とバカにしている所からはじまるので胸糞悪い。
確かにおばあさんは「グオーグオーカッカッカ」と大声で叫びながら歩いているので子供の目からしたら怪獣のような存在かもしれませんがそんなおばあちゃんにむかって「怪獣」とはやし立てるのは子供でも絶対にやってはいけない事です。
その後は作者を自分の息子と勘違いするおばあさんと仲良くなってハッピーエンドで終わるのですが、「怪獣」とはやし立てたりした事実は一生消えないし、かすみちゃんもおばあさんをバカにされた悲しい思いは一生忘れないと思いました。
「つづきのおはなし」で手作りの新聞が掲載されているのですが、認知症の人を馬鹿にし「怪獣」とはやし立てた作者のおばあさんも、作者が六年生の頃「認知症」と診断されます。これは…自業自得と言うしかない。悪い言葉などをつかったら自分に返ってくるんだなあ…と思う終わり方でした。
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一本の線をひくと 絵本こどもに伝える認知症シリーズ3
作 藤川幸之助
絵 寺田智恵
発行者 田島英二
発行所 株式会社クリエイツかもがわ
2020年9月30日第1版第1刷発行
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