肝臓がんでお亡くなりになった山下弘子さんの本です。
本書の帯と表紙の撮影の様子があるのですが美しく可憐で白いワンピースが本当に良く似合っています。向日葵の花束も可愛らしい。
2017年6月撮影のウエディングドレス姿や前田ともきさんとのツーショットなど愛が溢れている写真もあります。
がん患者の中でも特に容姿に恵まれている方のためこうした写真が多く残っているのも今となっては悲しいですね…
28ページに「いわゆる著者の方が亡くなった後に出る感動できる闘病記といった類のものではないと思います」と書いてあるだけあって、闘病記というよりも自分語りに近い本です。
山下弘子さんの学生時代や生き方などが淡々と語られています。
病気の治療に関してはいろいろ恵まれているため普通の人だと「羨ましい」と思ってしまうのではないでしょうか…
母親の事は驚くほど書かれていましたが父親や妹、弟の事についてはほぼ出てこずどんな性格だったのかつかみきれませんでした。
巻末に夫の前田ともきさんの言葉がありますが他者に丸投げで残酷…
「どうか次の人生では、健康に生まれて、素敵な人に出会って、子供を授かって、また、素晴らしい人生を歩んでほしい。彼女の次の人生もまた、笑顔と光で包まれていることを心から願ってやまない」
と書かれています。
え…次の人生は他者に丸投げ?心底愛していた人ならば次の人生も出会って一緒になって一緒に人生を歩みたい…のではないの?
今の人生が終われば他者にまかせてもいいんだ…と思ってしまいました。
私は生まれ変わりは信じていないので「次の人生」という発想は出てこないのですが、前田さんのこの言葉は酷いなあ…と感じてしまいました。
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雨上がりに咲く向日葵のように 「余命半年」宣告の先を生きるということ
著者 山下弘子
発行人 蓮見清一
発行所 株式会社宝島社
2018年7月6日第1刷発行
本書は2014年12月に刊行した『雨上がりに咲く向日葵のように 「余命半年」宣告の先を生きるということ』を増補・改訂し文庫化したものです
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