戦争により行き場を失った猫たちをボランティアで助けるモハンマド・アラー・アルジャリールさんの物語。
アレッポで救急車の運転手をしていたアラーさんは見捨てられている猫たちを見つけ、なけなしのお金でお肉と水を買い、猫たちの世話をはじめます。
猫たちは10匹が20匹となり、20匹が50匹とだんだん増えますが、街に残っている人たちも協力して猫たちを助けます。
現代的だなと思ったのはアラーさんがスマホで情報発信をし、たくさんの国から寄付が集まっている所。ツイッターやフェイスブックやインスタグラムを利用し情報を発信している所が今時です。
お金を集めて「ねこの家エルネスト」と名付け、アレッポの住人が街を離れなくてはいけない時にはエルネストへ猫を連れてくるようにもなりました。
戦争のせいで翻弄される猫を助けるアラーさんが魅力的です。絵を描いている清水裕子さんの画力が素晴らしいので細部までじっくり楽しめる絵本でした。
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アレッポのキャットマン
著 アイリーン・レイサム カリーム・シャムシ・バシャ
絵 清水裕子
訳 保田菜津紀
発行者 岡本光晴
発行所 株式会社あかね書房
2021年5月31日初版発行
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