多発性骨髄腫である幡野広志さんが人の悩みに答える悩み相談本です。
この本も幡野さんのいい意味での性格の悪さが出ていて読みやすかったです。正直私はこういった悩みは「自分で考えればいいんじゃない？」と思うタイプなので幡野さんがギッシリ文章で回答しているのを見て優しさを感じました。
多発性骨髄腫である幡野さんへの相談はやはり「病気」に関する事が多いです。
「死産」「障害がある(病名不明)」「アルコール依存症の父がいる」「抗がん剤に苦しむ父への思い」「リウマチ」「子宮体がん」「統合失調症で自殺願望あり」「ボランティアの際に対応していた身体障害のねたきりの子どもを見た時の他人の態度」「ご自身に腫瘍(どの部位の腫瘍かは記入無し)があり、母ががん」「子育てが辛い」「統合失調症で世間の誤解に怯えている」「彼氏の元奥様ががんで亡くなったがまだ元奥様を愛している様子」「毒親家庭で育った」「婚約者の両親に結婚を反対されている(彼の父が胃がん末期なのも悩み)」「末期がん、余命宣告あり」「精神疾患があり、援助交際がやめられない(父親からの性的虐待あり)」「息子が不登校、ご自身もメンタルクリニックに通っている」「精神を病んだ犯人に兄を殺された(通り魔)」「夫の暴力でシングルマザー」「親が新興宗教に熱心」「貧乏性」等々。
病気関連だけでもこれだけあります。書いていても嫌になるくらいありますね。
「自分の事なんだから自分で考えろよな」と私は思いましたが本人にとっては真剣な悩みなんでしょう…私はお金をもらったとしてもこんな悩みには答えられない。幡野さん凄いな…
統合失調症の女性の「京都の放火事件で世間からの誤解に怯えています」という悩みが切実だと思いました。統合失調症の人は実際に犯罪をおこしたり、殺人をすることが多い上にネットで統合失調症とさらされることが多いですし。どれだけこの女性が「私は殺人なんかしない統合失調症患者ですよ」と言っても「あ、統合失調症なんだな」とバリアを張られると思います。
幡野さんも(おそらく統合失調症の女性に)妻が罵声を浴びせられた事に対して「怒りがおさまったわけではありません」とバッサリ書いています。
幡野さんはその後精神疾患の人に複数会い、普通という事がわかったそうです…
悩みの中のある「精神を病んだ通り魔に犯人に兄を殺された」という相談も中にありますが辛すぎ(どの事件か何となくわかりましたが記入は控えておきます)
病気の悩みは読んでいて体力が奪われる感じがしました。
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なんで僕に聞くんだろう。
著者 幡野広志
発行者 見城徹
発行所 株式会社幻冬舎
２０２０年２月５日第１刷発行
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