闘病記しか読みたくない

闘病記しか読みたくない管理人「つばめ」のブログです。日本中の闘病記が読みたい。悪趣味だと言われようが闘病記や病気をテーマにした本から感じ取れる生への記録に感動している毎日。本の紹介はネタバレを含みます。道端のポスターの写真等を撮るのも好きです。すべての写真は自分で撮影しているものです。

薫は少女

結核、輸血を必要とする貧血、急性肺炎が重なり若くして亡くなった薫の事を姉の幸子が思い出している形で話が進みます。

 

薫は生まれながらに体が弱くジフテリアになり、医師に気管支も肺も弱いと言われ、心臓も肥大していると診断されます。その他、わきの下や耳の横のリンパ腺をはらし四回も手術をしたり小児ぜんそくもあり、幼い頃から病気がちだった事が語られます。

 

病気がちとはいえ薫は家族に愛されすくすくそだち、ホームレスの男性「ヤス公」にお金をわたしたり、ホームレスの男性の栄養失調の犬にイカをあげたりと優しい性格の女の子になります。

 

薫と猫のミイミとのエピソードが印象的でした。ミイミは口にがんの様なモノが出来て、日に日に弱り、苦しまない様にとミイミの安楽死を薫は提案しています。高校三年生で自ら進んでミイミの為に安楽死を受け入れるという勇気が凄い。

 

最後は姉の幸子が幸せな結婚を前にして薫を思い出して終わります。姉は幸せな結婚を約束され、妹は無残にむごたらしく血を吐いて死んでしまうというギャップが心に残りました。

 

昭和40年2月8日、火葬場の煙突から薫が焼かれた煙が昇っていくという悲しい終わり方でした。

----------

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

----------


書評・レビューランキング

----------

薫は少女 岩崎少年文庫13

作者 中島信子

画家 小林和子

発行者 森山甲雄

発行所 株式会社岩崎書店

1976年6月15日第1刷発行

1983年4月10日第9刷発行

----------

----------