12歳のヤングケアラー、マリーが主人公。英語版の表紙よりも断然日本版の表紙の方が良い本です。
マリーの母は多発性硬化症のため車椅子生活で、母が快適に暮らせる家をプレゼントする事がマリーの夢。
マリーの腕には三本のシリコンバンドが巻かれており「ヤングケアラー」「多発性硬化症」「わが家のプリンセス」と書かれています。
ある日ドローンがマリーの元にバンスキャンプ(サマーキャンプ)への招待状を運んできます。
サマーキャンプへの誘いがドローンとはハイテクです。
ホログラムで登場したバンス社長から参加者の写真が紹介され、参加者皆が選ばれた人たちという事も分かります。
キャンプではAI(人工知能)のジェニーと対話したり日常とは一歩進んだ新しい世界を大いに楽しむマリーですがキャンプ参加者とロボットコンテストで争うことになります。
メインメンバーは4人。
マリー:得意分野は工学
ソフィー:得意分野は科学
エリシャ:得意分野は数学
ギャビー:得意分野はIT
かわいい女の子四人が話を引っ張っていくのがにぎやかで可愛いです。
ロボット開発に悩むマリーですが、視覚障害を持つ盲目の動物専用の近接センサー付きの首輪に感銘します。犬の首輪に接近センサーをつけ、何かに近づき過ぎた時に警告をするというものです。
「接近センサー」をつけることにより自分の作品「イーグルアイ」はうっかり何かにぶつかってしまうことも無くなる…という発見です。
意地悪なイングリッドやイケメンのジャックも物語に絡むものの、ジャックの扱いがもったいなかった気がします。面白いキャラクターだったのに使い捨てキャラでほぼ見せ場無し。
イケメンキャラを生かしたメンバーとのロマンスもあったりするとサマーキャンプっぽくて楽しかったかも?今回のメイン女子達はみんな男子に興味なしでそれはそれで清々しかったのですが。
話がスタートした時にすぐ「黒幕」はわかってしまうのですがそれでも面白い物語でした。ただ、こういう最新技術的な事をこれでもかこれでもか!!と盛り込んだ小説は2~3年後に読んだら「古く」感じられてしまうのでそこら辺が惜しい…と思います。
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分解系女子マリー
作 クリス・エディソン
訳 橋本恵
装画・挿絵 みずす
2021年6月14日 初版第1刷発行
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