12歳の少女パーケルと13歳のてんかんの少年スフェンが主人公。
ボーイミーツガール小説ですが二人とも良い感じに性格が悪いのでアクシデントが沢山あり、楽しく読めました。
スフェンは介助犬アラスカのユーザーです。そのアラスカが元はパーケルの家の犬で、パーケルはスフェンからアラスカを盗んでとり返そうとします。元自分の家の犬を盗み出そうとする発想がアクティブすぎて驚きました。
パーケルとアラスカは、もともとは素晴らしい友情で結ばれていましたが、6歳の弟が犬アレルギーで泣く泣くアラスカを手ばなすことになりました。なのでアラスカを盗み出しても結局は一緒に暮らすことは難しいのにな…と思ってしまいましたが。
パーケルの弟三人(9歳のデックス、7歳のフィン、6歳のユーイ)はADHDで注意欠如、多動症で毎日バタバタしています。母親の苦労が目に見えるようです。
パーケルの父母は店に強盗に入られた時のショックからか、睡眠薬利用者です。父は強盗により銃器で肩を撃たれ命は助かったものの大怪我をしてしまいます。父はかなり心が傷ついている様子。
スフェンはてんかんの発作による手のねんざや頭痛、筋肉痛、舌を噛むなど地味に痛々しい体の状態ですがなんとか前向きに頑張ろうと生活しています。
スフェンとパーケルが交互に語りあうような形で物語は進んで行きます。
途中パーケルは強盗に入った男を見つけ出し、後を追い始めます。どんな危険な目にあうかとヒヤヒヤしました。
最後はアラスカがスフェンのてんかん探知犬になりスフェンとアラスカが学校へきちんと登校するようになりハッピーエンド。
強盗が最後につかまったのかははっきりしませんが捕まるようなニュアンスの言葉があったのできっと捕まったはず。
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おいで、アラスカ!
作 アンナ・ウォルツ
訳 野坂悦子
装画 谷口正造
発行者 飯田聡彦
発行所 株式会社フレーベル館
2020年3月初版第1刷発行
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