交通事故でママを、ガンでパパを亡くした12歳の少女オリーブ・ハドソンが主人公。オリーブはパニック発作で過呼吸を起こすこともあり、両親を失ったショックが大きく立ち直れないでいる事がわかります。
一人ぼっちになってしまったオリーブは「半分だけ血のつながった姉」モーディーと暮らすことになります。モーディーはパパの最初の奥さんの子供で16歳も年上、合ったことはほぼない…という姉と手探り状態で「シェアハウス」で新たな生活がはじまります。
はじまり方からして「どん底で厳しすぎる」人生なオリーブですが、パピーウォーカーとして盲導犬候補の子犬「ルーミー」を育てていく事で少しずつ成長していきます。
初めはイヤイヤ暮らしていたシェアハウスも、生活している人たちが優しく、だんだんとオリーブの心もほぐれて住人が大好きになっていく所が感動的。
半分血のつながった美しい姉モーディー(身長191・1センチ!)がとてもいい人なので読んでいて安心できます。
シェアハウスで盲導犬候補生と暮らせるという外国の自由な所は素晴らしい。日本だとパピーウォーカーになるのは条件がかなり厳しい…
ルーミーのかわいらしさ、愛らしさ、賢さが語られるので最後に確実に待っている別れにとても苦しむ事がわかるので最後まで読むのが辛いのですが、パピーウォーカーあるあるな終わり方をしたのでホッとしました。
途中、ルーミーが他の犬に襲われ大怪我をし、骨折もしてしまうので犬が酷い目にあうのを読むのが辛い人は避けた方が良いかも。
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ルーミーとオリーブの特別な10か月
作 ジョーン・バウアー
訳 杉田七重
装画 そのだえり
発行者 野村敦司
発行所 株式会社小学館
2021年11月22日初版第1刷発行
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