羽田竹美さんの文章がまとめられている本です。タイトルになっている「母の日記帳」は大腸がんで亡くなった羽田さんの母の日記帳が実家から出てきた事が本のタイトルになっています。
羽田さん自身も股関節脱臼(変形性股関節症、先天性股関節脱臼、亜脱臼とも書かれている)で手術をしていたり、過労、寝不足、めまい、吐き気、貧血…など万全な体調でない事が多いので文章の中には体調不良の状態がしょっちゅう書かれていて読んでいて疲れます。
羽田さんの娘さんが7ヵ月で胆道閉鎖症で亡くなった事や、長男が腸重積で病院に運ばれた事などもまとめられており、丈夫な家系では無かった事がわかります。
「進行性筋ジストロフィー」という文もあります。障害のある筋ジストロフィーの青年たちのバンドをテレビで見たことが書かれており、素晴らしいとありました。(サンライズさんでしょうか…?)
「ハンセン病」の新聞記事についても丁寧にかかれています。
骨髄炎で苦しんでいた夫とのやりとりも書かれています。夫との出会いや脳死での別れがドラマチックに盛り過ぎで書かれている気もしますが読み応え抜群でした。
ご主人は「健全な体に健全な精神が宿る」という思想を嫌っていたとか。この言葉は差別用語だと私も思います。
家柄的に、金銭的に恵まれた羽田さんが書いた文なので「ん?お嬢っぽい?私恵まれているアピール?」と思う内容もあるのですが文章が上手いので頭に入りやすかったです。
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母の日記帳
著者 羽田竹美
発行者 原島史郎
発行所 日本随筆家協会
2004年6月7日発行
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