10歳の頃からデュシェンヌ型筋ジストロフィーと付き合っている土屋竜一さんが書いた本です。
「ぼくにできること みらい文芸シリーズ」という以前に読んだ本と同じ内容の部分も出てきたので懐かしくなりました。「ぼくにできること」は弟の存在が感じられなかったのですが、この本ではきちんと同病である弟の事も書かれています。
歌手である土屋さんが声を失い、声を取り戻す事がメインのお話ですが、人との出会いやコンサートの事等が詳しく書かれていて読み応えがありました。
多くの楽譜が掲載されていたのですが楽譜が読めないのでyoutubeで検索してみたら数曲アップされていたので聴くことができました。
さすがに上手いです。
個人的に作曲ができるのは凄い才能だと思います。
194ページの「当たり前、の幸せ」を読んでハッとしました。
「こんな病気にとりつかれて、良かったことなどあるはずもない。ただ、健康であることがどれほどありがたいことか、僕はそれを人一倍感じている。(略)五体満足の人間が見たり聞いたり、歩いたりできるのは当たり前のこと。でもそれは実に恵まれた、幸せなことなのだということはなかなか気付かない。」
この言葉は深いです…
沢山の人と出会い、その出会いを大事にする土屋さんの人柄の良さが伝わる本です。
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出会いはたからもの
著者 土屋竜一
発行人 松﨑義行
発行 フーコー
1999年12月9日初版第1刷
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