特攻隊の青年「チクラ・ショーイ(千倉慎一少尉)」と仲良しの子ネズミチッくんがチクラ・ショーイの思い人に手紙を届けるお話。鹿児島から東京へ手紙を運ぶ子ねずみのひたむきさが感動的。
「特攻隊」というキーワードが出てきた時点で嫌な予感しかしませんがこの予感は当たります。誰も幸せにならないというバッドエンドが待ち受けます。
チッくんの母は病気(病名不明)で具合が悪く、ついには死んでしまい一人になってしまったチッくんはチクラ・ショーイの暗号で書かれたラブレターを思い人の「青木夏津子(かつこ)」さんに届けようと旅立ちます。
東京大空襲で青木夏津子先生や風邪をひいていた生徒の光子さんやチッくんは酷い目にあい逃げ惑います。空襲での被害も火傷の症状や建物被害等がリアルに描写されています。
チクラ・ショーイの暗号のラブレターですが、宮沢賢治の「よだかの星」の文章に○をつけて、○をつないで読むと文章になる暗号になるものです。意外とバレバレ暗号なのが一番のやすらぎポイントかもしれない。
最後はチッくんもしっぽはちぎれ、左目にも大怪我をし死んでしまいます。救いようが無いお話。さし絵がものすごくカワイイのが余計悲しいです。
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星になった子ねずみ
作 手島悠介
絵 岡本颯子
発行者 清水保雅
発行所 株式会社講談社
2016年8月4日第1刷発行
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