表紙は美しい砂浜で車いすに乗り背中を向けている青年。
12歳の時に未知の病にかかり、介護施設で14年間を過ごしたマーティン・ピストリウスさんの人生をまとめている本です。
表紙をめくると「ぼくの魂のささやきに耳を傾け、ありのままの僕を愛してくれる妻のジョアナに。」と書かれています。
盛大なネタバレ…
こういう自身のお話を書くときに「我が妻、我が子、我が夫…」と書かれると新たな登場人物が出てきた際に「あ、この人が奥様になるのね」と思ってしまうタイプなので自伝的な本ではなるべくラストのページに書いて欲しいと思います。
推理小説の犯人が表紙に書いてあると萎える人もいると思いますが、私にとってはそんな感じです。
前半はマーティンの施設生活がメインで、後半はジョアナとの幸せなやり取りがメインです。
病名不明のまま物語が進んでいくので多少不安になりました。
結局マーティンの病名は何だったのでしょうか。
ほぼ意識不明と思われていた状態から意思疎通ができる様になるまでのやきもき感が凄いです。
良い感じに書かれていますが、マーティンの母親が好きになれず。
我が子に向かって「死になさいよ」とか「死んでちょうだい」とか言う母親とか許せないな…
淡々としているので盛り上がりに欠ける前半と、ジョアナと出会ってからの後半の華々しさが天と地ほどの差があります。
前半読んで「地味だな…」と思った人はジョアナと出会ってからのマーティンをぜひ知って欲しい。
愛の力って本当に凄いと実感できます。
これから面白くなるぞ!という所で終わってしまうので続編が読みたい一冊です。
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ゴースト・ボーイ
著者 マーティン・ピストリウス ミーガン・ロイド・デイヴィス
訳者 長澤あかね
発行者 小林成彦
発行所 株式会社PHP研究所
2015年12月3日第1版第1刷発行
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