若くして余命宣告され亡くなった遠藤和さんの記録本です。AYA世代の大腸がんはとても珍しいので治療などでも苦労しています。
大腸がんの症状として貧血、爪囲炎、腸閉塞、人工肛門、ストーマ、腎ろう、腹膜播種、意識障害、抗がん剤、緩和ケア、ケモセラピー、腸閉塞…などの症状も語られます。
痛みが強いがんなので読んでいて痛々しい気持ちになります。
和さんは昔に膝蓋骨不安定症で手術をしたりと病気で昔から苦労していた様子。
遠藤さんとのやりとりは心温まります…しかしながら大腸がんがかなり進行しているのにもかかわらず妊娠出産を実行した事に対しては考えさせられました。まあ「本人が良いと言っているなら良い」とは思いますが。
今後、残された娘は多方面から「お母さんは頑張り屋さんだった」「お母さんの気持ちをくんで元気に育って」「せっかくお母さんががんばって生んでくれたのに」みたいな事を言われ続けてグレそうだな…とは思いました。残された子どものストレスって相当なものだと思います。
遠藤さん(和さんの夫)の今後も気になります。娘が生まれすぐシングルファーザーになり、猫アレルギーなのに猫のウメも育てなければならない。ふと我に返った時にメンタルが崩れないか心配になります。
読んでいて一番の見どころは「妹の遥さんが記した和さん最後の11日の記録」です。和さんがだんだんと弱っていく様子が丁寧に描写されています。遥さんの書いた記録はもう少し多く読みたかった。
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ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記
著者 遠藤和
発行者 川島雅史
発行所 株式会社小学館
発行日 2021年12月6日初版第1刷発行
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