この本には「ぼくのじしんえにっき」と「つなみ」というお話がまとめられています。
「ぼくのじしんえにっき」は小学生の「和之」(かずゆき)が塾でテストをしている最中に大地震にあったことを淡々と絵日記にまとめているお話。
「東京は壊滅状態です」というラジオが流れるほどの被害です。
地震があった日は7月25日。震度7なので相当大きな地震だったことがわかります。
塾の階段では和子ちゃんとみーちゃんが誰かの下敷きになり動かなくなります。
ママが迎えに来てなんとか和之は自宅に戻るも自宅は傾いていて水道も止まってしまいました。
パパは電車が止まったため帰宅できず。7月28日になって怪我をした血だらけのパパもようやく帰宅。
8月1日頃になると町がくさくなり、ハエも沸いてきます。
飼い猫の大五郎も狂犬病の犬に咬まれてしまい狂犬病の危機です。犬は実際に狂犬病と診断されているわけではないのですがよだれをぼたぼたたらし、明らかに異常な状態から大人たちが「狂犬病かもしれない」と語っていた事と、実際に大五郎が死んでしまった事から狂犬病でカテゴリーにまとめています。
8月4日になると伝染病が発生します。和之は友達のとしこちゃんに会いに行こうと伝染病が流行っている所に足を踏み入れ8月7日に発熱。おそらく伝染病にかかり、8月25日にようやく回復します。
その後、和之はおばあちゃんと猫の大五郎が帰ってこない人になった事を知ります。
もう一つのお話は「つなみ」です。
主人公は「ふづき」です。小学5年生の女の子。港町に住んでおり、この町はふづきが生まれる前に津波に襲われた事があります。
地震の後、お父さんとお母さんと姉とふづきで車に乗り込みなんとか逃げていきますが、通帳を忘れたお父さんが家まで取りに戻ってしまいます。これは死亡フラグ。
電信柱を来れるほどの大津波が逃げていた三人を遅い、ふづきは波に呑まれます。ふづきはなんとか屋根にのって漂流している所を助けられましたが、母、姉、父は最後まで出てこず、きっと津波にのまれて亡くなったのでは…とう描写で物語は終わります。
初所は「ぼくのじしんえにっき」は1989年(岩崎書店刊)で「つなみ」は1994年。東日本大震災がおこるずっと前に書かれている作品なので恐ろしい…
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ぼくのじしんえにっき
著者 八起正道
画 いとうひろし
発行 株式会社岩崎書店
1994年7月 第1刷発行
1995年6月 第3刷発行
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