闘病記しか読みたくない

闘病記しか読みたくない管理人「つばめ」のブログです。日本中の闘病記が読みたい。悪趣味だと言われようが闘病記や病気をテーマにした本から感じ取れる生への記録に感動している毎日。本の紹介はネタバレを含みます。道端のポスターの写真等を撮るのも好きです。すべての写真は自分で撮影しているものです。

筋ジストロフィーの高校生、宇宙を学ぶ

教師の千頭一郎さんの書いた筋ジストロフィーの高校生が宇宙を学ぶことになった理由がまとめてある本です。

千頭さんの高校生に学ばせようとする力が凄いです。

筋ジストロフィーの生徒は知能に全く問題がないので学べば学ぶほど知力が磨かれていくので教えがいがありそうです。

 

出てくる生徒さん達は少し幼い印象。高校生ではあるものの中学生の様です。

はじめての授業で千頭さんにB君と言う生徒が「先生、手を上げてください」と頼むのですが千頭さんは意味がわからず自分の手を上げます。(B君は机の上に手を上げて欲しかった)

B君の片手を千頭さんが机に上げた後、またしてもB君は「先生、手を上げてください」と言います。

B君は両手を机に上げてほしかったのに言葉が足らずに面倒な事になっています。

最初から「両手を机の上にあげてください」と言えば手間がかからずに済んだものを…

そしてB君は「スイッチを切ってください」とまたしても説明不足な頼み方をしています。

当然千頭さんは迷うのですが、わからなくて当たり前です。

最初から「電動車いすのスイッチを切ってください」と言えたら良かったのですが。

体が不自由という事で今までは誰もかれもが察してくれていたので説明などしなくても上手くいっていたんだろうな…と思ってしまいました。

介護される側がこういう態度だと介護する人が困ってしまうので、お互いが困らない様にコミュニケーション力を向上させることが必要だと思いました。

 

宇宙についての学びは学力に問題のない生徒たちなのでスムーズです。

パソコンなども使いこなし頑張って勉強しています。

障害のため多少のハンデはあるものの、宇宙への意欲が感じられて学ぶ楽しさがわかる内容でした。

 

あとがきに書かれていた

「あと少し努力すれば、面白くなるのに」

「面倒くさがらずにやれば、満足する結果がついてくるのに」

と言う言葉が心に響きました。

登場する生徒たちは努力をしたり面倒くさがらずにチャレンジしていた為、とても充実した宇宙の勉強ができていました。

学ぶことは大事なのでいろいろな努力はしていきたいと思える本でした。

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筋ジストロフィーの高校生、宇宙を学ぶ

著者 千頭一郎

発行者 大塚信一

発行所 株式会社岩波書店

2003年2月20日第1刷発行

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