13歳のチェース・アンブローズが主人公。
チェースは夏休みに屋根から落ちます。運が良い事に命は助かり脳しんとう、筋肉痛、左肩の脱臼だけで済みましたが、記憶喪失となってしまいます。
記憶喪失となり慌てふためくチェースですが、どうやら元の自分は「極悪非道なクズでゲス野郎」であったことにだんだんと気が付き悩み苦しむという所が物語のポイントです。
記憶を無くす前のチェースは自分がアメフトのスター選手であることをふりかざしジョエルをいじめ抜き転校までさせたり、他者を思いやる事も無く悪友のアーロンとベアと馬鹿な事ばかりしています。
ジョエルはチェースのいじめのメインターゲットで、怪我をさせられたり、あざを作られたりと犯罪行為にも近いいじめを受けています。
そんなチェースは不安な記憶喪失な状態のまま老人ホームへ奉仕活動へ行くことになり老人たちとやり取りをすることによってだんだんと気持ちが柔らかになっていきます。
そんなに都合よく自分の都合の悪い部分だけ忘れられるものかな~とか思いましたが、悪人が一度記憶を失ってまともな人間になろうと努力する姿は良いと思いました。
最後、ジョエルの双子の姉ショシャーナがチェースとくっつく(あくまで良い雰囲気という程度かもしれませんが)のは最低なオチだと思いました。あれだけ弟のジョエルをいじめていたチェースを憎んでいたのに忘れて良い雰囲気になるとかショシャーナもチェースと同様クズ認定でいいかもしれない。
記憶喪失ボーナスがあってもショシャーナがチェースと仲良くなることは無いほうがリアルだと思います。
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リスタート
著者 ゴードン・コーマン
訳者 千葉茂樹
発行者 山浦真一
発行所 あすなろ書房
2019年7月30日初版発行
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