闘病記しか読みたくない

闘病記しか読みたくない管理人「つばめ」のブログです。日本中の闘病記が読みたい。悪趣味だと言われようが闘病記や病気をテーマにした本から感じ取れる生への記録に感動している毎日。本の紹介はネタバレを含みます。道端のポスターの写真等を撮るのも好きです。すべての写真は自分で撮影しているものです。

ユメのいる時間に

リフォーム中の古い洋館で昔にタイムスリップをする小学生の鈴川音彦が主人公。

清潔感溢れるスケッチ風の挿し絵がとても美しい。

 

音彦は何度もタイムスリップをし「さっちん」という女の子と白い犬「ユメ」と出会います。

いわゆるボーイミーツガールなのですが、タイムスリップ中は音彦は他人には見えず、何も触れず動かせないため一方的に音彦だけが「さっちん」を観察する…というお話です。

 

神経痛で膝の具合が悪く動くことがむずかしいおばあちゃんのおつかいで「北町のおばさん」に届け物をするアルバイトをしている音彦ですが、この「北町のおばさん」こそが「さっちん」ということが割とすぐわかります。

 

そしてこの北町のおばさんの若い頃の「さっちん」は割と落とし物をしたりトラブルを起こしやすいタイプで微妙にイライラする女の子です。

おそらく母親の物であろう指輪を勝手に持ち出し、勝手に指にはめた後そのまま遊びにでかけて案の定落とします…

他にも雨の後に川の水が増えている事が気になり、あろうことか新しい靴を履いて見に行き、案の定靴を川に落とします。そして靴を追いかけて川に飛び込んだユメはそのまま流されてしまいます。

致命的なミスでユメを失ったさっちんは自分を恥じてかおとなしい女の子になってしまいました。

 

最後のタイムスリップの後は音彦は発熱し39度の熱を出します。具合を見に来たおばあちゃんに昔さっちんと良く遊んでいたイッちゃんの事を聞く音彦はショックをうけます。イッちゃんは16歳くらいで肺炎で亡くなってしまっていたと聞き、元気だった人が無くなる事について熱でもうろうとしている頭で考えるのでした。

 

最後は友達のノセ君からゆずってもらったユメの生まれ変わりと思われる白い子犬を北町のおばさん(さっちん)に届け、一緒にユメを飼う事にします。ユメが川に落ちて自分のせいだと心に傷があった北町のおばさんが救われ物語は終了。

 

私は生まれ変わりは否定派なのですが北町のおばさんが新たな犬を飼う事で心が救われて良かったと感じました。

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ユメのいる時間に

作者 山末やすえ

画家 田中槇子

発行者 今村正樹

発行所 株式会社偕成社

1996年2月初版第1刷発行

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