舞台は1959年のメンフィス。主人公は11歳の吃音の少年「ヴィクター ヴォルマー」です。話し言葉はもちろん吃音のため自分の名前もスラスラ言えません。
ヴィクターの吃音は最初の音をくり返すタイプではなくやさしい息(sssss…と息をもらしながらそっと話す)を使うと何とか話はできます。
それでも言いにくい言葉は他の言葉に言い換えて会話していたりするので毎日が苦労の連続となっています。
ヴィクターは裕福な家庭で両親にも恵まれ(父親は本当の父親では無いですが)家にはお手伝いの黒人のマームもいます。1959年のお話なのでマームも差別されたり苦労の連続だと思うのですがヴィクターに愛情を注いで二人は親友のようです。
その後、R・Tという黒人と揉めてしまうのですがこれはヴィクターが悪いかな。
あれほどマームがR・Tに近づかない様注意をしているのに接近したり危なっかしい事ばかりしています。
なんとなくR・Tは発達障害系の障害がある気がします。
裕福なヴィクターですが親友の新聞配達をかわりにすることによって個性豊かな人たちとめぐりあいます。
テレビにかじりついていた聴覚障害のテレビ少年のポールとも仲良くなります。
ワージントンさんの奥さんに対する恋心は謎でした…ダメ女が好きなタイプなのでしょうか…??女性目線から見るといくらキレイでもワージントンさんの奥さんに惚れる要素は無かったような気がします…男好きでお酒好きでだらしない…男性はこういう女性が好きなのでしょうか…?個人的趣味なのでヴィクターがどんな女性が好きでも否定はしませんが。
良き大人のスピロさんとの出会いはヴィクターにとって幸せな出来事でした。
知的な大人と知り合えた事は毎日の張り合いになります。
吃音というハンデを持ちながら毎日を乗り越えていくヴィクターを応援したくなる本でした。
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ペーパーボーイ
作 ヴィンス・ヴォーター
訳者 原田勝
カバー画 丹地陽子
発行者 岡本厚
発行所 株式会社岩波書店
2016年7月8日第1刷発行
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