主人公は12歳の体の不自由な少年テオ。生まれつき障害があり、ずっと車椅子生活で今は障害者施設で過ごしています。車いす生活が長いので車椅子に「アルベール」と名前をつけて話しかけています。
テオの障害はかなり重く、生まれつき両足と左手が不自由です。病名不明ですが進行性では無い様子で電動車椅子で卓球などのスポーツは楽しむ事が可能です。
テオは「ありがとう」「すみません」を言う毎日にうんざりし、この言葉を言わないで施設で生きていこうとします。かなり無謀…「ありがとう」を言わない事で人間関係が少しこじれたりもします。
ただ「ありがとう」を「言わない」と決めるだけでなく、人から「ありがとう」を言ってもらえるようにチャレンジし、なるべく人に頼らないでいろいろできるようになろうと努力する所がテオの良い所です。
健常者の弟ヴィクトールへの嫉妬する気持ちや、父母に対する思い、友だちのカリムとの施設ならではのいざこざも丁寧に書かれています。12歳頃の男子のデリケートな気持ちが良く書かれていました。
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テオの「ありがとう」ノート
著者 クロディーヌ・ル・グイック=プリエト
訳者 坂田雪子
絵 小林系
発行者 山崎至
発行所 株式会社PHP研究所
2016年3月9日第1版第1刷発行
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