闘病記しか読みたくない

闘病記しか読みたくない管理人「つばめ」のブログです。日本中の闘病記が読みたい。悪趣味だと言われようが闘病記や病気をテーマにした本から感じ取れる生への記録に感動している毎日。本の紹介はネタバレを含みます。道端のポスターの写真等を撮るのも好きです。すべての写真は自分で撮影しているものです。

太ちゃんと私 筋ジストロフィーに負けないで!

小眼球座、先天性網絡膜欠損症で視覚障害のある中谷昭子さんの書いた福山型筋ジストロフィーの井上太悟君を見守る本です。

 

太悟くんの両親はそろって「仕事を辞めたくない」と仕事を辞めずに介護にはほぼノータッチです。

174ページから母親が「働きながら太悟と生きる」という文章を寄せていますが仕事を辞めないで介護と向き合う方法も少しは考えた方が良かったのでは?と思いました。ここまで介護に参加しない両親という本は初めて見ました。

そのくせ「どんなことがあっても太悟を入院させないで温かい家庭で育てていきたい」と言っていて矛盾が感じられました。

 

介護をしない両親に変わって水泳の先生である中谷さんが頑張っています。

水泳の先生なのに「ここまでやるか」という事をしているので疑問が残りました。

太悟君と一緒に旅行に行ったり介護をしたり性処理まで手伝っています。

そこまでしなくてもいいのでは??という部分まで踏み込んでいるので読んでいてドン引きする部分が多いです。

 

太悟君は「両親と旅行に行きたい」とはっきり意思表示をしているのにもかかわらず中谷さんは太悟君と一緒に旅行を決行しています。

はっきり「両親と行きたい」と言っているのだから無理していかなくても…と思いました。

 

誤字が多いのが気になりました。

116ページ 「太ちゃん行ける」→「太ちゃんが行ける」

157ページ「毎回も旅に」→「何回も旅に」

192ページ「借して」→「貸して」

198ページ「うそのうよに」→「うそのように」

215ページ「一年ぐい」→「一年ぐらい」

等々。他にももしかしたらあるかもしれません。

 

どちらかと言うと太悟君が主人公と言うより頑張っている自分自身「中谷さん」が主役といった印象にある本でした。

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太ちゃんと私 筋ジストロフィーに負けないで!

著者 中谷昭子

発行者 西俊明

発行所 有限会社海鳥社

1995年4月25日第1刷発行

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生きる力 引き算の縁と足し算の縁

びまん性大細胞B細胞リンパ腫、悪性リンパ腫が発覚した笠井信輔さんが書いた本です。

元フジテレビアナウンサーだけあって恵まれた先生に会い、適切な治療等をされていて羨ましい限り。本文中に恵まれた仕事内容などもかなり出てきます。有名人ならではと思う部分が多いので一般人の悪性リンパ腫の治療をしている人がこの闘病記を読んでも「自分と違い過ぎる」と感じそうな内容です。

 

コロナウイルスが猛威をふるっている中の闘病記なのでコロナについての話題も多いです。

コロナについては第4章「コロナと私と#STAY HOME」に詳しく書かれています。日本に於ける「うちで過ごそう運動」のきっかけが笠井さんと言われています。「#うちで過ごそう」を笠井さんが発表し、その後にHIKAKINさんが改めて「#うちで過ごそう」という動画を発表しすごい勢いで拡散されたとか。

後ほど小池都知事が「HIKAKINに感謝」し、ブログの読者は「笠井さんが最初のはずなのに…」と感想を言っていた様です。

私もHIKAKINさんから「うちで過ごそう」を知ったのですが笠井さんが始めた事だったのですね。

まあ、この「うちで過ごそう」という言葉はコロナが広がっていても休めない仕事をしている私は相当イラっとしたので「うちで過ごそうなんて言葉を広める人は休めない仕事をしている人の気持ちなんて何も考えていないんだろうな」とは思っていましたが…

(ちなみに今はコロナの中で仕事をするのに全く慣れてしまって「うちで過ごす人が多いと電車が空いていてラク」と思うようになっているので人間の考え方は変わると実感しました)

 

現代の闘病記なのでSNSやネットの力が凄いです。そして笠井さんはステージⅣから完全寛解となります。抗がん剤治療の苦しみなども丁寧に書かれていたので寛解してホッとしました。

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生きる力 引き算の縁と足し算の縁

著者 笠井信輔

発行者 青柳昌行

発行 株式会社KADOKAWA

2020年11月20日初版発行

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おしっこ"小"百科

ヤクプ・プラヒーさんが絵と文をかいたおしっこの小百科です。

マジメなお話はなく、軽い読み心地。絵には黄色が効果的に使われており、尿色ながらも可愛らしい感じです。

女性は対象外で、メインは男性のおしっこです。

 

おしっこって何?おしっこの色は?

など何となく気にはなる内容がまとまっています。

アスパラをいっぱいたべると緑色の尿がでるらしいですよ。

本当ならばこれはチャレンジしたいですね。

アスパラといえば「アスパラ尿」なのですが残念ながらアスパラ尿の事は書かれていませんでした。

私はアスパラ尿なのでどうしても気になります。

 

「お相撲さんは、どうやっておしっこするの?」という作者の疑問が、いかにも外国人的で微笑ましかったです。

作者の絵では力士がお腹の肉を台にのせて股間につけた紐をひっぱって的を定め、おしっこをするというものでした。この考え方は無かったです。

 

巻末には有料トイレが利用できるクーポンがついています。

遊び心がありますね。

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おしっこ"小"百科

絵と文 ヤクプ・プラヒー

訳者 阿部賢一

発行者 小野寺優

発行所 株式会社河出書房新社

2018年12月30日初版発行

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ローラとわたし

盲導犬のステッラ(星)と視覚障害のあるローラの物語。

5年前のクリスマスイブ、ローラは自動車事故で頭を強く打ち、目が見えなくなります。

そして盲導犬のサシャと出会い、サシャの名前を「ステッラ」に変えて新たな道をあるきだす…という物語です。

 

作者の意図的な考えがあるので仕方ないのですが、ステッラはハーネスを付けていません。

「どこにでもいる女の子と犬の物語として読んでもらいたい」という作家の思いとのことですが、どこにでもいる女の子と犬の物語なんてその辺に転がりまくっているので私としては「目の見えない女性と盲導犬」の物語として最初から読みたかったです。

 

そんな理由もあって盲導犬なのにもかかわらず、ハーネスもつけずにリードのみで町中をローラとステッラは闊歩しています。

これは…あまり良くないのでは…マナー違反な気がしないでもない。

日本だと確実にアウトです。盲導犬はハーネスをつけましょう…

ただでさえ盲導犬は大きいのに無防備に長くリードを伸ばしたり、リードをはずして自由にさせていたり外国とはいえ気になりました。

 

後、ローラはステッラにアイスクリームやピザ等を食べさせているのも気になりました。

家庭犬なら多少の人間の食事も食べるとは思うのですが盲導犬にアイスクリームやピザをあげるのは良くない気がします。

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ローラとわたし

文 キアラ・ヴァレンティーナ・セグレ

絵 パオロ・ドメニコーニ

訳 杉本あり

発行人 平野健一

発行所 株式会社徳間書店

2018年1月31日初版発行

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1週間で8割捨てる技術

1959年生まれの筆子さんが書いた片づけ本です。

 

片づけ依存症だなあ…と思いながら読みました。

捨てなくても良いものを捨てていく方法が書かれています。

気に入っているものでも捨てようと努力しているので意味が分かりません。

 

断捨離、こんまり、その他ミニマリストなどを参照に捨てる方法が書かれていますが「不用品は買わない」「買ったものは使い切る」の一言で終わります。

 

こんまりメソッドでも捨てられない人に向けてのアドバイスがありますがときめきを感じて残していると思われるものまでむしり取って捨てさせようとするのは良くないかも。

 

物心がついたときからお部屋がすっきりきれいな人の書いた本が読みたいかも。

 

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1週間で8割捨てる技術

著者 筆子

2016年3月18日初版第1刷発行

2016年10月18日第8刷発行

発行所 株式会社KADOKAWA

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それでも「ふるさと」あの日から10年 「明るい未来」を子どもたちに 原子力に未来を夢みた町に生きて

東日本大震災によって人がいなくなった福島県双葉町の現在を写真に撮った本です。福島第一原子力発電所エリアが多め。

 

原子力 明るい未来の エネルギー」という看板をテレビなどで一度は目にしたことがあると思うのですが、この標語を考えた大沼勇治さんが出てきます。

ご自身が考えた明るい原子力の力がいまや日本を怯えさせる元凶となるなんて大沼さんも思ってはいなかったでしょうね。

 

震災の当時にこの標語を見た時には「原子力に未来はないでしょうよ」と私は割と冷めた目で見ていたのですが大沼さんが小学校六年生の時に考えた標語だったのですね。

私の年代(昭和生まれ)だとチェルノブイリの問題が叩き込まれているので原子力発電所は爆発するものと思っていたのでこんな未来ある標語は絶対考えられません。

 

だんだんと死んでいく町の写真がリアルです。

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それでも「ふるさと」あの日から10年 「明るい未来」を子どもたちに 原子力に未来を夢みた町に生きて

著者 豊田直巳

発行所 一般社団法人 農山漁村文化協会

発行 2020年12月15日第1刷発行

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風色にそまるキャンバス 筋ジストロフィーと闘いつづける画家・大塚晴康の物語

筋ジストロフィーの画家、大塚晴康さんの人生がまとめられている本です。

表紙をめくると美しい絵が掲載されています。

 

1937年生まれの大塚さんですが、裕福な家庭という事がわかる描写が多いです。

この時代には自家用車がある家庭は少なかったというのに高校二年生の時には原動機付自転車を与えられ、モーターバイクの免許を取りスクーターにも乗っています。

自分の自家用車を持つ事が難しかった時代にもかかわらず自分専用の車まで持っています。

戦後の厳しい時代にお金の苦労をしている描写がないという裕福さがこの本の見どころかもしれません。

全体的にあくせく働く描写もないので戦後のお話しとは思えない暮らしぶりです。

 

父母ともに賢く、病気に対しても前向きに考えています。

T大の先生に「小児マヒ」と言われても母親は「進行性筋萎縮症では」と正しい判断をしいろいろ学んで素晴らしいです。

そして父親がアメリカ出張の際には「クラッチ」とうアメリカ製の杖を買ってきています。だんだんと動けなくなるという病気に対しての前向きな考えなどが感じられ、両親の病気に対する学びが良く感じられます。

 

当時は筋ジストロフィーの事を進行性筋委縮症と読んでいた事が書かれており、時代によって病名等がすこし変わっていく流れが良くわかります。

全国進行性筋萎縮症児親の会が出来たり、筋ジストロフィー協会が社団法人になったりと時代背景も読み取れました。

 

国画会展に絵を出すことに挑戦をしたり、子供達に絵を教えたり大塚さんの人生はまさに絵と共にある感じです。

 

その後奥様と結婚後離婚したりと大変な日常を送られましたが、オーストラリアに行こうと考えている大塚さんの前向きな姿勢で最後が終わっていたので爽やかに読み終えることができました。

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風色にそまるキャンバス 筋ジストロフィーと闘いつづける画家・大塚晴康の物語

作者 浜田けい子

画家 井上正治

発行者 松田正美

発行所 ベップ出版株式会社

1989年3月29日第1刷発行

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わたしの夢、わたしの人びとの苦しみ 難民キャンプのこどもたち

コソボの紛争で祖国を追われ、難民キャンプで暮らす子供達が描いた「平和への訴え」をテーマにした絵を掲載している本です。

絵だけではなく写真も豊富に掲載されており、子供達がどのような生活をしているのかが良くわかります。

 

難民キャンプの子共たちの一日はとても辛そうです。

学校にも行けずシャワーも週に一回、食料も限られ遊び道具等もほとんどありません。

大人の戦争に巻き込まれれ酷い生活を過ごしている子ども達を見ると心が痛みます。

 

子どもだけでなく大人や普通に暮らす人々も大勢なので戦争の厳しさが感じられます。

そんな生活の子供達の絵は、暗い絵が多いですが訴えかけてくる絵が多いです。

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書評・レビューランキング

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わたしの夢、わたしの人びとの苦しみ 難民キャンプのこどもたち

編 子供地球基金中部事務局

発行者 坂井宏先

発行所 株式会社ポプラ社

発行 1999年9月第1刷

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