クローン病の色鉛筆作家、羽田紗織さんの本です。
すがすがしいくらいに病気をウリに色鉛筆作家として活動しているのではじめは驚きました。
「病気も作品の一部なんです。病気を売りにしちゃいけませんかね?卑怯ですか?」
という作者の言葉があるのですが、卑怯というより羨ましいと思う人が多いんじゃないですかね…
素晴らしい絵を描くのに全く注目されず消えていく作家が多い中、クローン病という病気がくっついているだけで注目され取材される…
普通に頑張って絵を描いている人からみたら「ずるい、うらやましい。病気だから注目されてるんでしょ!」と思うに決まってるじゃないですか。
⁽クローン病がとても苦しい病気だと知らない人がほとんどなのでそう思うことは仕方のない事だと思います⁾
私としては病気をウリにする作家が本をだしてくれると嬉しかったりします。
それだけ多くの闘病記が読めることになるし。
絵は…好みがわかれる絵かな。
私はふわふわした絵が好きじゃないのであまりぐっとはきませんでした。
子供の絵は足が太すぎて気持ち悪いし。
かわいいとも思わず…キレイとも思えず…普通かなーといった感じ。
作者のいうように「病気の作家だから興味をもった」典型的なタイプだと思います。
作者は優等生いい子ちゃんタイプなので読んでいて「あーそのうち心の病気になりそうだな」と思いながら読んでいたのですがやっぱり心の病気話が出てきました。
鬱病、パニック障害、不安症でもあったと書かれていますがこれらの病気に関してはほとんど書かれていません。
クローン病の本ですし。
羽田さんの文章はものすごくわかりやすく読みやすいです。
鬱病などに対しても本を書いていただけると良いのですが。
色鉛筆がくれた希望 クローン病を患って見つけた幸せのかたち
著者 羽田 紗織
発行所 株式会社アートダイジェスト
2003年7月31日初版第1刷発行
2003年8月20日第2刷発行