広島の町のはりまや町にある床屋さんの一家の物語です。
お父さんの鈴木六郎さん、お母さんのフジエさん、お兄さんの英昭さん、主人公の公子さん、弟の護さん、妹の昭子さんがメイン写真です。
いとこの和子さん、恒昭さん、犬のニイと猫のクロなどの生き生きした写真も残されています。
鈴木さん一家は写真を見る限り豊かな生活をしていた家族という事が目に見えてわかります。
家族だけではなく猫や犬のペットの写真も残っているのはこの時代では珍しいのでは?
六郎さんの写真の腕は良く、凝った構図の写真が多いです。
家族の明るい表情がありのまま写されています。
タイトルにヒロシマという文字がなければ、かわいい女の子が猫をおんぶしている微笑ましい写真でもっとかわいいお話だと思ってしまいそうです。
普通に生きていた普通の家族が一瞬にしていなくなる現実が恐ろしいです。
原子爆弾さえ落ちなければ鈴木さん一家は幸せな暮らしを続けていたのにな…と考えさせられてしまいました。
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ヒロシマ 消えたかぞく
著者 指田和
発行者 千葉均
発行所 株式会社ポプラ社
2019年7月第1刷
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