斎藤紘二さんによる「ヒロシマ」「ナガサキ」の戦争・原爆体験などをテーマにした詩集です。
広島と長崎が書かれているだけあって生々しいです。
出てくる言葉も「負の遺産・黒い雨・空襲・原爆症・被爆・被爆者・被爆ピアノ・被爆三世・被爆二世・流産・火傷・二重被爆者…等々、重苦しい文字が並びます。
被爆胎児のホルマリン漬けを負の遺産と表現している事が重いです。原爆さえ落ちなければ幸せに暮らしていたのかもしれない…と思うとやり切れません。
被爆による原爆症の兆候のため差別され恋人に去られた女性の詩は悲惨すぎました。戦争さえなければ…
二重被爆者の詩も辛い。ヒロシマで一度、ナガサキで一度の二度被爆。被爆者となり原爆症をかかえて生きる自分に本当の幸せは無いと書かれており辛い。
読んでいて明るい気持ちになるどころかずっしり沈む気持ちになるので人によっては辛い詩集かもしれません。
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著者 斎藤紘二
発行者 小田久郎
発行所 株式会社思潮社
発行日 2009年8月31日
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