「こんな夜更けにバナナかよ」を元にした映画の小説版です。タイトルに「愛しき実話」とかいていますが映画版は実話とは言えないお話になっているのでタイトル詐欺です。
「愛しき実話を元にしたフィクション」が正しい。
映画版の筋ジストロフィーの鹿野靖明さんの性格は原作とあまり変わっていません。
ポンポンと人に命令して人を従わせています。いくら自分で動けないからといってもこれは酷い…という頼み方が多いので非常にイライラします。(原作でもイライラしましたが)
人に命令する事と頼む事の意味をはき違えているような発言が多いので私は一切関わり合いになりたくないタイプです。
映画版だとおっとりとしていて医者の卵(医者の息子でお金持ち)の田中久とフリーターなのに「自分は大学生で学校の先生を目指している」と大嘘をついている安堂美咲のイライラするラブストーリーがメインなのでうんざりします。
田中はいわゆるお金もちで顔も良く家柄もいいのにウジウジウジウジした性格なので読んでいて腹が立ってくる…
美咲もいわゆる「恋愛脳」なので股間で物を考えるタイプっぽいので腹が立つ。
鹿野は原作どおりにワガママ…
原作の良い所でもあり悪い所でもある「鹿野靖明」さんのワガママをメインにしていない改悪がある事で「障害者に励まされて自分も頑張ろう」という流れになるお話になっています。こんなお話よくあるので今更映画化(小説化)にする意味が分からない。
作中でブルーハーツの「キスしてほしい」が使われるのですが、映画の中や小説であるアーティストの歌詞が効果的に使われる…というオチは古いので止めてほしかった。
「教えて欲しい 教えて欲しい 終わる事など あるのでしょうか」
というブルーハーツの歌詞が小説終わりの三行前に使われています。小説なら自分の力で最後まで書いて欲しかった…
メインキャラ三人の性格がダメダメで読んでいて辛い本でした。
※三浦春馬が自殺した後にテレビ放映された本作を見たのですが冒頭で挫折。やっぱり主役三人の性格がムリでした…
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こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話
原案 渡辺一史
脚本 橋本裕志
ノベライズ 前川奈緒
発行者 花田朋子
発行所 株式会社文藝春秋
2018年12月10日第1刷
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