デュシュンヌ型筋ジストロフィーの栗原征史さんが書いた本です。
栗原さんだけではなく、父の真さん・母の富子さん・妹の美和さんの文章も掲載されていて家族愛が感じられます。
メインは栗原さんが作った「栗原新聞」の掲載。きちんとまとめられた新聞を自分で発行するという行動力が素晴らしい。
筋ジストロフィーの症状が進むにつれ手書きの新聞からワープロへと変わっていくのですが自分で文章を考え構成を考え作製しているのですごいです。
文章もどんどん上手くなっているので読み応えがあります。
この栗原新聞は、お母さんの提案です。いじめなどがあり辛かった時に「新聞をつくって、みんなに自分の考えや気持ちをわかってもらったら」という言葉に押されて栗原さんが新聞を作り出しています。
お母さんナイスアイデアです。
本文で同じ筋ジストロフィーの同級生、深川さんと杉山さんがお亡くなりになってしまった時の新聞が悲痛でした。
「二人のことを考えていると、ぼくの悲しみは、怒りに変わる」という一言が心苦しいです。
普通学級時代のイジメなどの描写が生々しいので読むのが辛いのですが、養護学校へ行ってからの栗原さんの学生生活の充実ぶりが書かれていたので安心しました。
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神さまに質問 筋ジストロフィーを生きたぼくの19年
著者 栗原征史
装画 黒井健
発行者 山田晃
発行所 株式会社ファラオ企画
1992年9月10日初版発行
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