表紙はメスを見せびらかしているブラック・ジャック。うっすら笑顔なのがさわやかです。
第1話「医者はどこだ!」
自動車事故をおこしたアクドそっくりに整形された仕立屋デビイが新たな出発をするお話。死刑よりは整形されて別の顔になる方が幸せになれそう。
第2話「人間鳥」
足が不自由な成田以香留が鳥に整形され山で暮らす話。自分の母に似ていたからといって手術をしたブラック・ジャックがけっこうひどい。山で暮らすにしても病気になったり食事が不安定だったりと苦労しそうな予感…
第3話「恐怖菌」
細菌兵器の発病で治療を頼まれたブラック・ジャックと安楽死を頼まれたキリコの対比が面白い話。患者は貧血や腹水、脾腫や腫瘍でボロボロの状態です。最後は希望のある終わり方。
第4話「こっぱみじん」
戦争により心が壊れ強迫観念による拒絶症の大統領が息子に殺される話。大統領も最後に人の役に立てて良かったかも。
第5話「望郷」
公害病で汚染された島への想いをつのらせるヤケッパチとブラック・ジャックのやり取りが見どころ。ヤケッパチが名前と途中まで気が付かなくてなんだか変な感じで読んでいました。(途中でヤケッパチの父が「せがれのヤケッパチ」と言ってくれたのではじめて気が付いた)
第6話「戦場ケ原のゴリベエ」
人に怪我をさせるゴリベエがマタギの又造に殺される話。このゴリベエは殺されてもしかたないかな…人を襲いすぎだったので。
第7話「音楽のある風景」
音楽の大好きなチン・キ博士が心筋梗塞で倒れるお話。戦争で音楽が禁止されるのは悲惨すぎる。
第8話「闇時計」
ルーツの母を治療したブラック・ジャックがルーツと悪党と共に落盤に巻き込まれるお話。生物時計(体内時計)で決まった時間に起きられるブラック・ジャックがすごい。
第9話「カプセルをはく男」
モルヒネをカプセルに詰めて密輸をしている男とモルヒネを飲んでしまい死んでしまった院長のお話。人のよさそうな院長だったので普通にしていても名誉は自然と集まってきたのでは…と思ってしまいました。
第10話「話し合い」
不良の〆沢とブラック・ジャックの同級生の美形の先生が通じ合うお話。〆沢は容赦なく先生を暴力により骨折させたりしますが絡み方がすごいのでもしかすると先生が好きだったのでは?と感じました。
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著者 手塚治虫
発行者 山野勝
発行所 株式会社講談社
1995年2月16日第1刷発行
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