表紙は自宅?の木の柱に手をついているブラック・ジャック。真顔のブラック・ジャックですが唇の端が少し上がっているので怖い雰囲気ではありません。
第1話「ゴーストタウンの流れ者」
撃たれて左腕が壊疽を起こし肺血症となった脱獄囚のトムと人妻アンの物語。トムには幸せになってほしい。
第2話「骨肉」
脳卒中を起こしたブラック・ジャックの父が登場。ブラック・ジャックの妹の小蓮が可愛すぎました。オチにびっくり。父と妹を一気に葬り去らなくても…
第3話「ちぢむ!!」
飢饉により体がちちむ架空の病気がテーマ。免疫についてよくわかります。これ…昭和49年12月2日号に週刊少年チャンピオンに掲載されていると書かれています。昭和49年の漫画なのにこの完成度はすごい。
第4話「ミユキとベン」
からだのあちこちにできたがんや肝臓がんで命が短いミユキとミユキに体をささげたベンのお話。ベンは強盗をして警官に撃たれて死亡しましたがミユキの体の中で生き続けるので純愛?ともいえるかもしれない。
第5話「犬のささやき」
ひたすらかわいいヌーピーと忠明の関係性がなんとなくエロいと思ってしまったお話。ブラック・ジャックは動物虐待と言いながらヌーピーが吠えるごとに「さより」の声が再生されるような手術をします。犬の声帯をきる手術よりはましですがヌーピーがかわいそう。
第6話「青い恐怖」
シャコ貝に足を挟まれた太一とブラック・ジャックの奮闘が見どころ。太一ととうちゃんが全然にていないので母が太一似だったんでしょうね。
第7話「化身」
馬のプロミネンスの脳が人間のトミーに移植されるというトンデモ移植のお話。プロミネンスも骨折で走れなくなっていたのでトミーと一つになれて良かったのかも。プロミネンス(元トミー)を撃てなかった父の愛が悲しい終わり方。
第8話「未来への贈りもの」
筋萎縮性側索硬化症の男性とエリテマトーデスの男女が人工冬眠に入るお話。エリテマトーデスは少しずつ治療改善がすすんでいますが筋萎縮性側索硬化症(ALS)ままだまだ治療には程遠いですね…人工呼吸器などはすごく性能が上がっているとは聞きます。
第9話「小さな悪魔」
胞状奇胎で苦しむ母をみて恨んだ息子のジュンがブラック・ジャックに睡眠薬を飲ませるお話。エディプスコンプレックスを淡々と語るブラック・ジャックですがブラック・ジャック自身も母を愛していたのでジュンの気持ちが痛いほどわかったんでしょうね。
第10話「黒潮号メモ」
あて逃げの接触事故によりねたきりだった心臓病の子が死亡し、親に謝ってほしいブラック・ジャックが帆村六久に付きまとうお話。心臓病はブラック・ジャックが治したというのに接触事故で死んでしまうというのが生々しい。
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著者 手塚治虫
発行者 三木章
発行所 株式会社講談社
1983年3月20日第1刷発行
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