デュシエヌ型筋ジストロフィーの宮脇誠作さんの母、宮脇輝子さんが書いた本です。
全体的に母親目線なので本人の気持ちや誠作さん本人の意思等はあまり書かれていません。
誠作さん本人の手記がほぼ無く、ずっと母親目線が続くので筋ジストロフィー症患者の気持ちが知りたい人というよりは筋ジストロフィー症患者の親の気持ちが知りたいという人におすすめが出来る本です。
可哀想だったのは自然食の実行をさせられていた事。
学校給食をやめて玄米食のお弁当を食べていました。クラスメートが温かい給食を食べている中での一人食べる冷たいお弁当の切なさが感じられます。
11歳だと食べ盛りでお菓子なども良く食べる時期なのに、おやつなども厳しい食事制限等があって気の毒すぎました。
最終的には肢体不自由児施設の旭川療育園に入園する事になり食餌療法が耐えがたいものだったと告げられ輝子さんはショックをうけます。
食餌療法はたいていは親の自己満足だったりしますよね。
実際に食餌療法が体質にピッタリとあって病気が改善する人もいるので親を責めるわけにはいきませんが…
施設を出た誠作さんは自宅にもどり生活を始めます。
自宅での生活も詞を書いたりレタリングをしたりと充実している様子でした。
最後に「天国からの伝言」というご自身の亡くなった後に知り合いの皆に読んだ文章があるのですがこれは輝子さんの代筆とあるので本人の書いた文章で無い様子。
誠作さんは26歳と48日でお亡くなりになりますが、その後ありのまま舎から「筋ジスよ」という詩が詩集「新車椅子の青春」で最優秀賞を受賞したと伝えられます。
亡くなった後に受賞というリアルさがありました。
巻末には詞華集とレタリング等も掲載されています
母親目線での文章なので全体的に愛が感じられます。
誠作さんの父と妹の明美さんは空気状態でほとんど出演が無かったのが残念。
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僕はあきらめない 筋ジストロフィー症と闘った青春
著者 宮脇輝子
発行所 株式会社桐原書店
1985年6月25日第1刷発行
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