クラスで一番、二番と言われるほど良く出来る男の子、小学校三年生の小野田真一くんが主人公。
真一くんは辛い香港風邪にかかり、4日も学校を休んでしまったため算数のテストで35点を取ってしまい落ち込んでいます。
かぎばあさんシリーズではめずらしく「鍵っ子」ではありません。
テストで悪い点をとってしまった真一くんをお母さんはガンガン叱り、真一くんは萎縮してしまいます…これはお母さんが悪い…
真一くんは、かぎぼうやに「0点取ったってちゃんと大人になれる」とそそのかされます。かぎぼうやのささやきもあり、ゲームセンターに向かいますが、そこで自分そっくりの男の子がレーシングゲームをしている場面に遭遇します。
雪の降りだした町を歩いているとかぎばあさんと出会います。かぎばあさんは真一にギリシア料理を作ってくれて、真一に「脳」の話をしてくれます。
35点を取って胸が痛かったのにお母さんに叱られ、ショックを受けたことにより現実が夢のようになってもう一人のボクに会ってしまった、と真一は我に返ります。
勉ちゃんをいじめてしまったのも自分で、やはり自分の「脳」が問題だったと悟ります。
その後は勉ちゃんをいじめてしまった理由もお母さんはわかってくれてひとまずハッピーエンド。ただこのお母さん、同じことをくり返しそうなタイプかも…真一くんがグレない事を祈ります。
かぎばあさんの語る「脳」の話が難しくて驚きました。
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かぎばあさんともう一人のボク
作 手島悠介
絵 岡本颯子
発行者 岩崎弘明
発行所 株式会社岩崎書店
1998年2月20日第1刷発行
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