膿胸・がんと闘いながらも旅立ってしまった高崎耕史君が主人公です。
カバーの折り返し部分にお亡くなりになることが書かれていてテンションが下がります。
1986年の本なのでネタバレ配慮無し。
闘病記の場合、本人の生死がかなり重要になるのでネタバレは避けていただきたい。
ご両親による「五月の子」という耕史君の思い出を元にしているからかお母さん目線な雰囲気。
山崎君とのエピソードでお父さんが酷いと思いました。
もともと耕史君が山崎君に200円を貸して、なかなか返してくれないため怒って
「2000円返せ」と言ったのにお父さんは「バカモノッ!」と拳で耕史君の左ほおを殴りつけています。
体が50センチも飛び上がるほど殴るなんて虐待です。体罰反対。
山崎君がお金を返さないから悪いのに。
耕史くんが悪いと私は思えませんでした。
次の日に左目じりから耳にかけてむらさき色に腫れ上がるくらい強烈に殴られた耕史君がかわいそう。
お父さんも殴らずに「たとえお金を返してくれなくても、とんでもない金額を請求するのはいけない」くらい言えるでしょうに。
耕史君は親にも自分の気持ちをわかってもらえず膿胸と闘い、頑張って入った学校にも行けずに最終的にはがんで死んでいったのか…とかわいそうになりました。
治療はかなりゆったりした感じです。
良くなったり悪くなったり…先生も頑張ってはいるものの当時の医療の限界だったのかも。
お母さんは「がんなのでは…」とはらはらしているのですががんと分かったのは解剖後です。
がん治療していないのであっというまに広がってしまった様子。
胸の縦隔部に悪性の腫瘍が発生し、それが肺や腸、腎臓などあらゆる場所に転移していた…と書かれています。
これ、相当痛かったのではないでしょうか…
子供向けの本とは思えないくらいハードな本でした。
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ぼく、星になって生きるよ
作者 日野多香子
画家 岩淵慶造
発行者 増田義和
発行所 実業之日本社
1986年10月1日初版発行
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