闘病記しか読みたくない

闘病記しか読みたくない管理人「つばめ」のブログです。日本中の闘病記が読みたい。悪趣味だと言われようが闘病記や病気をテーマにした本から感じ取れる生への記録に感動している毎日。本の紹介はネタバレを含みます。道端のポスターの写真等を撮るのも好きです。すべての写真は自分で撮影しているものです。

崩れる脳を抱きしめて

主人公は碓氷蒼馬。富裕層向け療養病院「葉山の岬病院」で働く為に神奈川にやってきたことから物語が始まります。

碓氷さんは父が借金を作り女と出て行った件に対して父を恨んでいます。

 

病院設定のはじまり方で「あ、患者と恋に落ちるんだな」と思いましたがそうでした。

出会った女性は「膠芽腫(グリオブラストーマ)」で余命数か月で入院している「弓狩環」。

お金持ちで長い黒髪の華奢な垂れ気味二重で空色のブラウスにカーディガンを羽織っています。筆とパレットをもってイーゼルに向かい絵を描いています。

お、お、お…この時点でお腹いっぱい。ノンフィクションの病人設定のオンパレードですよ。

 

ノンフィクションの病人のテンプレートと言えば10個あります。

①美形(ノンフィクションの病人は不細工であってはならない)

②お金持ち(ノンフィクションの病人は貧乏であってはならない)

③天涯孤独(ノンフィクションの病人は孤独である方が話が運びやすい)

④絵を描いている(ノンフィクションの病人はただ寝っ転がっているだけではない)

⑤かっこいい名前もしくは苗字(ノンフィクションの病人は決して平凡な名前ではない)

⑥女性ならワンピース着用(ノンフィクションの病人は今時のファッションをしてはいけない)

⑦忠実なペットがいる(ノンフィクションの病人のしもべは賢くなければいけない)

⑧車椅子(ノンフィクションの病人ははかなげでなくてはいけない)

⑨現在恋人なし(ノンフィクションの病人は恋人がいない方が話が進む)

⑩華奢(ノンフィクションの病人はデブであってはならない)

⑦と⑧以外はすべて当てはまりますね。ノンフィクションの病人のテンプレートいただきました!

 

実際に余命数カ月の女性が一般男性が一目ぼれするほどの美貌を保てるかどうかは疑問なんですよね…実際に余命数カ月の人をみると「死」が顔にでるので恋よりも先に「気の毒」と思うので一目ぼれなんて軽々しくできないと思います。

そして余命数か月で恋に落ちる病人ってのはアリなんでしょうか?私的にはナシです。弓狩さんは美人だったのに今まで恋人等はいなかったのでしょうか?

 

途中で碓氷さんが「本当の恋を知った!!」とハシャギまくるのですが今までのセフレ話とかがさんざん語られた後だったので「そっか」と冷めてしまいどうしても碓氷さんを冷ややかな目で見てしまいました。

 

もと恋人で現在セフレの「冴子」の存在が都合よすぎて不自然です。

献身的に碓氷さんを支えているのですが…こんな女性いないでしょ??自分が愛されないとわかっていながらも碓氷さん(恋を知ったと大はしゃぎ中)を支えるなんてバカバカしすぎるので見放したら良いのでは?と思いましたよ。実際の女性は自分に愛が向かなくなった男性を支えることは無いです。(お金とか自分にメリットがある場合を除く)

 

お話の内容としては「謎解きミステリー」になるのかな?ヒロインの病人設定を外した方が良かった気がする…

 

最後に一言だけ言わせてほしい。

「他人の遺産相続の話に首を突っ込むな!!」

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崩れる脳を抱きしめて

著者 知念実希人

装画 げみ

発行者 岩野裕一

発行所 株式会社実業之日本社

2017年9月25日初版第1刷発行

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