子どもの頃に化学兵器MW(ムウ)によって人生を狂わされた「結城美知夫」が人の人生を狂わせていく物語。
この化学兵器MWが無ければ結城も狂わなかった…と思うので結城が気の毒に思いながら読んでいました。
が、そんなに気の毒に思わなくてもいいかな?と思い始めました。
この結城はとんでもない極悪人で、嘘や殺人まで顔色一つ変えずに行えるヤバイ男です。
同性の恋人の賀来神父がいるのにもかかわらず、愛犬の巴を「美人…いや、色っぽい」と一緒にベッドに入ったり(ズーフィリアや動物性愛に近いシーンあり)、女性を強姦したり、人を簡単に殺したり人間臭さが全くなし。
賀来神父の思い人である昔、足が不自由で今は歩けるようになった「谷口澄子」さんも結城の手に落ちました。まだ殺されないだけマシだったかもしれませんが…
賀来神父が見た目に反してなよなよした考え方なので非常にイライラします。崖の所に結城が立った時に突き落としてさえいれば、今後死ぬ人も増えなかったのにな…まあ愛ゆえなので仕方ないのかもしれませんが…
手塚先生の絵で同性愛や異性愛がしっかり描かれているので全体的に色っぽい。
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MW1(ムウ) 手塚治虫漫画全集301
著者 手塚治虫
発行者 山野勝
発行所 株式会社講談社
1993年1月16日第1刷発行
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