痛いポエムを書き留める事が好きな17歳の女子高生の未来(みく)が好みの大学生と会ったことによりドキドキし、初めて生理が来るお話。身も蓋もない書き方ですが発情により生理が来るのは生き物っぽくて面白いかも。
カテゴリーは「原発性無月経」としてありますが本文中には病名は出てきません。あとがきでは18までに生理が来ない場合は原発性無月経と書かれていますが15あたりまでに来ない場合も原発性無月経と診断されることもあるらしい。(生理関連はかなり個人差がありますからね)
未来が生理が来ないと悩みはじめるのが「好みの異性」にあって「赤ちゃん産めないかも」と悩む所とか謎でした…生理=妊娠とがっつり固めている所が現代っ子らしくない気がする。20年ほど前の女の子の考え方?と思って巻末を見たら作者が「原発性無月経」と書かれていて「なるほど」作者の感性か、と思って納得。
作者は1985年生れなので少し古い考え方でも仕方なし。
未来が好きになったのは女子高に来ていた司書補の保坂さん。大学三年の22歳。未来は保坂さんに彼女がいるのかどうかもリサーチせずにつっぱしって告白するのですがこれは良くない気がした…せめて彼女の有無をリサーチしないと保坂さんが悪い人だったら彼女がいるのにもかかわらずオーケーするとかあるあるですよ…
まあ保坂さんは未来だけでなく他の女子からも告白されまくっていると思いました。
まわりを固める登場人物は個性的な人たちばかり。イキイキしているけどちょっとデリカシーの無いおばあちゃんのアサエさん、古い物好きで男の話しかできない芽衣等。
芽衣の男話は正直イライラしたので不要だったかも。
エスペラント語が物語の端々に出てくるのでエスペラント語が好きな人におすすめ。
※封をあけてポーチに入れたまましまいっぱなしにしていた中のナプキンは定期的に入れ替えていたのか少し気になりました。さすがに10年しまいっぱなし…という事はないでしょうが…ナプキンにカビや湿気は大敵ですから…
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ポーチとノート
著者 こまつあやこ
装画 miii
発行者 鈴木章一
発行所 株式会社講談社
2021年10月26日第1刷発行
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