主人公は17歳のサム。自分が起こした事件のせいで故郷にいられなくなりロンドンに家出をします。
そこで10歳の放置子の赤毛の少女ボーとアパートの変わった住人たちと出会い物語が進んでいきます。
孤独で頑張るサムと健気なボーを応援しよう!と言う趣旨のお話しだとは思うのですがサムがろくでもない性格なのであまり好きになれず…
ボーはおせっかいですが可愛らしい性格で好感が持てました。
故郷にいた時、サムは親友(と言えるのか?)のマックスを11歳の頃からいじめたりバカにしたり都合よく利用していました。
17歳になるまでひたすらマックスへのいじめを続け、そして自動車を手に入れたマックスをそそのかしサムが自動車を運転し、案の定自動車事故を起こします。
一緒に車に乗っていたマックスはシートベルトをしていなかったのでフロントガラスに叩き付けられ、頭からガラスを突き抜け、一回転してボンネットを越えると地面にすごい勢いで落ちます。
そしてマックスは首の骨を折り、体が不自由になってしまいます。
目はちぐはぐの方を見ていて、顔に細いジグザグの傷が二本走り、歯が何本か無くて、杖によりかかり体の片側に障がいが残りました。
その後、ボーがマックスの自宅までおしかけてマックスとサムは和解する…という流れで物語は終了。
え?マックス許すの??許せるの??
と思ってしまいました。普通、自分を長きにわたり苛め抜き、体を不自由にもされたら許すという発想が出てくるでしょうか?
サムが許されるという発想は私には無いかも。むしろ許されて欲しくない。
そしてボーの母親(チェリー)がボーに対して良い母親になると言っていますが、これも無理だろうと感じました。
男好きで薬物依存のボーの母親が更生するとは思えない…
その後のお話がないので自分で想像するしかないのがもどかしい話でした。
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迷子のアリたち
著者 ジェニー・ヴァレンタイン
訳者 田中亜希子
発行者 山川史郎
発行所 株式会社小学館
2011年4月18日初版第1刷発行
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