11歳の小児性リンパ芽球性白血病の少年サムが主人公。サムの瞳はブルーで髪は薄茶、片方の膝に生まれつき四つ葉形のあざがあります。この「四つ葉」は願いをかなえてくれないとサムは不満を持っています。体には打ち身のあとがいっぱいあります。
白血病の再発、また再発でサムは具合が悪くなり鼻血を出したり輸血をしたりと生きる努力はするものの、医師から治る見込みはないと宣告されます。
一年あればいろいろな事ができるとサムは自分の余命を受け止めますが父母は受け止められずうろたえています。
サムの母は少し前までは学習障害のある子を世話をする慈善団体で働いていたものの、サムの病気が再発した時に仕事をやめています。
悪友のフェリックスが物語を引っ張ってくれています。フェリックスはがんでどの部位のがんかは書かれておらず病名不明ですがサムと同じく長く生きることはできないと自分でわかっている様子。
フェリックスとサムの男の子らしい遊び方は微笑ましいものがありました。
不幸にもフェリックスは亡くなり、サムは死について考え、自分の死後にどうしてほしいかまとめる様になります。
サムの書いた本は1月7日に始まって4月12日に終わります。たった三か月の日常をまとめた本ですが家庭教師と勉強したり、フェリックスとイタズラしたり、家族と遊んだりと平凡ながら充実した最期を迎えることができました。
記録が4月12日で終わり、4月14日に永眠するタイムラグが生々しいと思いました。
欲を言えば本文の書き文字がカワイイ女の子が書くような文字だったのでもっと11歳の男の子らしい雑な文字だと良かったかも。
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永遠に生きるために
作 サリー・ニコルズ
訳 野の水生
装画 高畠那生
発行所 株式会社偕成社
2009年2月初版第1刷
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