第1話「奇妙な関係」では一億円強奪犯を追いかけるも複雑骨折をした刑事と犯人の奇妙な関係が読めます。犯人は銃創もあり臓器移植も必要でブラック・ジャックに助けを求めます。
途中でドクター・キリコの安楽死エピソードがはさまれますがこれ必要だったのかな?
第2話「帰ってきたあいつ」では心筋梗塞で倒れたジョーズが学校を守るお話。心臓病で安静が必要なのに最後に大暴れして死亡します。
いじっぱりすぎる…初めからおとなしくしていれば寿命を縮める事はなかったのに。
第3話「ガス」では自殺希望者が用意していた青酸カリのカプセルをピノコが飲んでしまい、ブラック・ジャックがピノコを手術します。ピノコの胃洗浄をしたりガスでおならを誘発しカプセルを押しだしたりと大慌てのブラック・ジャックが見どころ。
第4話「研修医たち」では研修医をみまもる山裏博士がやたらカッコいいお話。研修医を厳しく指導しながらもこっそり見守る紳士です。研修医たちはウィルムス腫瘍と向き合うことになり自分たちがまだ未熟だという事を知ります。
第5話「てるてる坊主」では脳溢血で死亡した医師の代わりに竹中外科で働くブラック・ジャックが面白いお話。美人の未亡人の元で働くブラック・ジャックというなかなかヤバイシチュエーションが楽しめます。未亡人医師はブラック・ジャックの助けもありましたがバンチ氏症の手術をやり遂げます。
第6話「湯治場のふたり」ではブラック・ジャックと琵琶丸の入浴シーンが楽しめます。メスを刀鍛冶に鍛えなおしてもらったブラック・ジャックは上機嫌ですが刀鍛冶は倒れてしまいます。琵琶丸のハリ治療や心臓マッサージもむなしく刀鍛冶は死亡しますが自らの寿命を知っていた刀鍛冶は遺書を残しています。生き様がかっこいい刀鍛冶でした。
第7話「鯨にのまれた男」では記憶喪失の正一が記憶を取り戻すまでが語られます。お母さんのビンタで記憶を取り戻した正一は今後は幸せになりそう。
第8話「約束」では盲管銃創の完全な手術をしたにもかかわらずブラック・ジャックがお金を受け取らないお話。ルペペは銃殺刑で死刑になった為に手術代をうけとらないブラック・ジャック…実際には手術は成功したのでお金は受け取っても良かった気がしないでもない。
第9話「灰色の館」では兄妹愛に巻き込まれてしまったブラック・ジャックとピノコが危険な目に会います。大火傷で廃人になった兄を人工声帯までつけてよみがえらせたブラック・ジャックですが、回復した兄は妹を焼き殺します。誰も救われなかったお話でした。
第10話「ある女の場合」では肝硬変になりメデューサの頭までできていた女性が自力で立ち直るまでのお話。美しい女性が若さを武器になりあがる…という流れはあるあるですがブラック・ジャックはあまり美女になびかないので安心して読めました。ラーメンが食べたくなります。
----------
----------
著者 手塚治虫
発行者 野間省一
発行所 株式会社講談社
1981年2月20日第1刷発行
----------
----------