表紙は冷酒?を飲んでいるブラック・ジャック。後ろののれんが良い味を出しています。ブラック・ジャックはワインや洋酒よりも日本酒が合う気がする。
第1話「畸形嚢腫パート2」
ピノコと同じ畸形嚢腫がらみの不思議なお話。もし新たな畸形嚢腫の男の子が生まれていたら面白かったかも。
第2話「昭和新山」
昭和新山という火山で無駄に腕を切り落としたバカな男が印象的なお話。こんなバカのために良心的な医者が大怪我をしていて気の毒でした。
第3話「かりそめの愛を」
長くて一週間と余命宣告をされたがんの美少女ミチルとブラック・ジャックが一時的に結婚するお話。がんが18か所に転移しており切除だけでも34カ所必要で人工肛門を持つ体となっても結婚してくれる久磨さんがいるミチルは幸せなのでは?
第4話「再会」
交通事故をおこしたアキラとアキラの車に轢かれて骨折し、記憶喪失となった女性が裁判長と被告人として再開するお話。女性のメッケル憩室も治療できそうで良かった。
第5話「ご意見無用」
骨折等の大怪我をした指名手配中の六平を助けたい父親の葛藤のお話。六平は五人も殺した人殺しなので別に助けなくてもいいんじゃないかな…と思いますがピノコの命がかかっているのでブラック・ジャックが治療することになります。ブラック・ジャックのセリフで「おまえさんはなんだ人間を五人も殺しておきながら…」とありますが船長も殺しているので六人殺しています。六平がクズなので死んで良かったのかも。
第6話「消えさった音」
空港の騒音問題や騒音公害でノイローゼとなり自傷行為を繰り返す田田川さんのメンタルがすごい話。せっかく騒音から解放されたのに耳を元に戻す精神力がさすが。
第7話「コレラさわぎ」
脈なし病の女性の看病をするピノコとコレラ疑いで悩むブラック・ジャックがすれちがうお話。ピノコが作った謎の薬を飲んだブラック・ジャックが下痢をしてしまいますが下痢ですんで良かった。
第8話「流れ作業」
交通事故で内臓破裂となった娘を助けたい父の愛情がわかるお話。院長先生も悪い人ではないので今後の病院の方針が変わりそうで未来のある終わり方でした。
第9話「灰とダイヤモンド」
ボロボロの老人ホームをなんとかしたいブラック・ジャックと強欲な松方と百鬼博士の三すくみが見事なお話。心臓衰弱で死亡した松方ですが体に埋め込まれたダイヤモンドは百鬼博士がこっそり老人ホームへ届けてハッピーエンド。
第10話「ストラディバリウス」
計器の事故のため緊急着陸した飛行機に乗り合わせたバイオリニストのモロゾフ氏が凍傷になり指が壊死で使えなくなるという残酷なお話。ブラック・ジャックは針麻酔などを駆使して何とかしようとしましたが手術器具の不足ではどうしようもありません。
今回のお話も盛りだくさんで充実した読み応えでした。
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著者 手塚治虫
発行者 加藤勝久
発行所 株式会社講談社
1983年5月20日第1刷発行
1989年8月21日第4刷発行
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