闘病記しか読みたくない

闘病記しか読みたくない管理人「つばめ」のブログです。日本中の闘病記が読みたい。悪趣味だと言われようが闘病記や病気をテーマにした本から感じ取れる生への記録に感動している毎日。本の紹介はネタバレを含みます。道端のポスターの写真等を撮るのも好きです。すべての写真は自分で撮影しているものです。

手塚治虫漫画全集153 ブラック・ジャック3

表紙はお金とメスを一緒にもったブラック・ジャック。衛生的にどうかと思いますが手術に使わないメス(投げる用とか)なら別に良いのかも。

 

第1話「友よいずこ」

ブラック・ジャックの顔の皮膚の色が違う理由がわかるお話。混血児の親友のタカシのお尻の皮膚を取り皮膚移植をすることによって顔の色が違う今のブラック・ジャックの顔が出来上がりました。タカシは環境問題の為に生き、最後には死亡します。ブラック・ジャックが自然を愛しているのはタカシの影響なのかも。

 

第2話「ダーティー・ジャック」

地震によりトンネルに閉じ込められたブラック・ジャックと幼稚園児たちがトンネル脱出を試みる話。お金持ちの甘ったれの幼稚園児じゅんちゃんがものすごく頑張って人命を助ける為に動くので今後のじゅんちゃんの成長が楽しみ。優しい先生は薬の袋をガソリンからまもったため大火傷で死亡…先生の鏡でした。

 

第3話「ある教師と生徒」

先生が怖くて登校拒否を起こしていた久男がわざと車につっこんで交通事故を起こし生死をさまようお話。先生は元々子どものためを思って厳しくしていたため、自分の生命保険一千万円を久男に使って欲しいとブラック・ジャックに頼みます。手術後には二人同室になりますが上手くいっている様子の一コマで和みました。

 

第4話「ピノコ・ラブストーリー」

ピノコの恋人が内臓全転位症(内臓逆位)で倒れ、手術で苦労しているブラック・ジャックピノコが鏡でサポートするお話。ピノコの恋人は畸形性の病気で胆管が生まれつき拡張していた様です。物語冒頭でピノコが書いていたラブレターはブラック・ジャック宛てだった…というオチがなんだか可愛らしかった。

 

第5話「その子を殺すな!」

超能力者のハリ・アドラがブラック・ジャックに対抗する話。ブラック・ジャックは子宮外妊娠で無頭児(無脳症)と知っていたから子供を犠牲にする決意をもって手術をしようとしていましたがアドラは子供を助けようとします。生まれてきても生きることができない無脳症の子どもをみてアドラは手術室を去ります。誰も幸せにならなかったお話。

 

第6話「六等星」

花火大会で爆発事故が起こり、大火傷や骨折などの大怪我の病人をパッとしない真中病院の椎竹先生が手術するお話。今回はブラック・ジャックは脇役です。地味ながらも実力のある椎竹先生にスポットがあたって良かった。

 

第7話「上と下」

酷い貧血と大動脈瘤破裂で倒れたRHマイナスの焼久曾社長を同じくRHマイナスの工事現場で働く力さんが助けるお話。RHマイナスの何型かは特に書かれていませんでした。その後は力さんが事故にあい焼久曾社長がかけつけ力さんは一命をとりとめます。社長は大事な取引をダメにしましたが、友情とブラック・ジャックからのお金を手に入れたので今後はより幸せになれそうな予感。

ところで昔このお話を読んだ小学生の時の私は自分の血液型がRHプラスAと信じていたのですが、高校生になって献血をしたら私の血液型はRHマイナスО型でした。自分がマイナスと知った時に真っ先に思い出したのがこのお話でした。

 

第8話「なんという舌」

サリドマイドによる短肢症の少年村岡映児くんが珠算コンクールで自らの舌で闘うお話。両腕移植のため、長時間そろばんをはじくと動きが鈍くなってしまうハンデを舌で覆す場面が壮快です。

 

第9話「勘当息子」

雪で列車がとまり立往生したブラック・ジャックを止めてくれた親切なおばあさんとその息子達の物語です。勘当された息子の四郎は医師になり、母を助けようとします。まだ若いのでブラック・ジャックがおばあさんの病名を移動盲腸と病名を伝え、助けをだすのですが四郎は立派な医師になれそうな予感がしました。

 

第10話「Uー18は知っていた」

アメリカで医師として働くコンピューターUー18が病気になり、ブラック・ジャックに助けを求める話。Uー18はブラック・ジャックを招き入れる際にウソ発見器を使い本物か偽物か判断します。

Uー18を人間扱いしているブラック・ジャックがかなりすごいなと思いながら読みました。この話は昭和51年3月に掲載されたお話ですが全く古くなくむしろ新しい。

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手塚治虫漫画全集153 ブラック・ジャック

著者 手塚治虫

発行者 野間省一

発行所 株式会社講談社

1979年5月30日第1刷発行

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