24時間以内に死亡する人に「デス=キャスト」から電話がかかってくる世界という設定で物語は進みます。死が事前にわかる世界観という設定は面白い。表紙がとても美しいので挿絵もあったら良かったかも。
「デス=キャスト」から電話があったマテオとルーファスが「ラストフレンズ」となり友情というか愛情?を育んでいく過程を読むことができます。
設定は面白いのですが「本日死ぬ」と電話をするのが「人」という設定がイマイチ。こんなの自動設定で自動音声で発信でいいんじゃない?と思ってしまいその時点で冷めてしまいました…いわゆる死刑宣告みたいなものを人にやらせるのはイラっとします。(喜んでやる人を集めて電話をかけさせるのならばいいのですがデス=キャストのコール担当者は嫌々電話をかけている雰囲気があった)
マテオは母はおらず、父が脳梗塞で入院中、ルーファスは里親ホームで暮らす少年でどちらかというと二人とも不幸な分類な境遇のため、デス=キャストからの電話は泣きっ面に蜂状態。
この作品に出てくるメインキャラの女どもはろくな性格ではないので男二人(マテオとルーファス)がくっつくのも無理はないと感じました。作者は女の人があまり好きではない気がする。
ルーファスの仲間のチック持ちのダゴエが良い味を出していました。首がしょっちゅう動くのですがチックで首が動いてしまうと「荒っぽく近寄りがたい人間に見えてしまう」と気にしている描写があり実は繊細な人であることがわかります。
マテオの死に方はイマイチだったかも…
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今日、僕らの命が終わるまで
著者 アダム・シルヴェラ
訳者 五十嵐加奈子
装画 yoco
発行者 神宮字真
発行所 株式会社小学館集英社プロダクション
2023年3月16日初版第1刷発行
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